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平成30年5月29日(火)
こんにちは。神坪浩喜です。
先々週は、札幌法教育教員セミナーで、民事模擬調停を学校の先生方に体験していただきました。
目的は、学校の教室で、法教育授業、アクティブラーニングの一つとして、模擬調停を採用してもらうためです。
調停を体験してみるとわかるのですが、いつのまにか自分の頭で考え、表現し、そしてのめり込んでいくんですよね。
多くの子どもたちに、この体験をしてもらいたいです。
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さて、「友だち幻想」人と人の<つながり>を考える 菅野仁著
の続きです。
前回、人間の幸福は、他者との関わりによってもたらされること
他者は、自分と異なる存在であり、かつときに脅威にもなるということでした。
しかし、他者との関わりをもって生きる喜びを感じる以上、幸せであるためには、他者と関わらなければならない。
では、どのように、異質で、ときに脅威にもなりうる他者と関わればよいのでしょうか。
菅野さんは、次のようにおしゃっています。
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クラスのような偶然の関係の集合体の中では、当然のことですが、気の合わない人間、あまり自分が好ましいと思わない人間とも出会います。
そんな時に、そういう人たちとも「並存」「共在」できることが大切なのです。
そのためには、
「気に入らない相手とも、お互い傷つけあわない形で、ともに時間と空間をとりあえず共有できる作法」
を身につける以外にないのです。
「やりすごす」という発想です。
子どもが「○○ちゃんというムカつくやつがいる」と家でふと漏らしたときに、「その子にもいいところはあるでしょう。相手のいいところを見てこっちから仲良くする努力をすれば、きっと仲良くなれるよ」
というよりも
「もし気が合わないんだったら、ちょっと距離を置いて、ぶつからないようにしなさい」
と言ったほうがいい場合もあります。
これは「冷たい」のではありません。
無理に関わるからこそ、お互いに傷つけ合うのです。
ニーチェという哲学者の言葉で「愛せない場合は通り過ぎよ」という警句があります。
あえて近づいてこじれるリスクを避けるという発想も必要だということです。
「濃密な関係から、あえて距離をおくこと」
が大切なんじゃないかと私は考えています。
距離の感覚は重要です。
クラス全員が仲良くできる、全員が気の合う仲間どおしであるということは、現実的に不可能に近いことです。
人間ですから、どうしてもお互いに馬が合わない人、理屈ぬきに気に障る人というのはいます。
大人だって、ほとんどの人は何かしら人間関係の悩みを持っています。
そんなとき、ムカツクからといって攻撃すれば、ますますストレス過剰な環境を作り、自分のリスクも大きくすることになるのです。
だからこそ「並存性」という考え方が大事なのです。
ちょっとムカツクなと思ったら、お互いの存在を見ないようにするとか、
同じ空間にいてもなるべくお互いに距離を置くということしかないと思います。
ただし、露骨にシカトの態度を誇示するのも、攻撃と同じ意味を帯びてしまうことになります。
朝、廊下や教室で会って目があったりしたら、最低限の「あいさつ」だけは欠かさないようにしましょう。
あくまで、自然に敬遠するとつもりでやってください。
要は、「親しさか、敵対か」の二者択一ではなく、態度保留という真ん中の道を選ぶということです。
「友だち幻想 人と人の<つながり>を考える」 菅野仁著 ちくまプリマー新書
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まさにそのとおりだなと思いました。
自立、自律しながら他者と社会において共生していくためには、他者と「適切な距離」をとることが大切なんですね。
誰とでも仲良く、誰とでも親密な関係に
・・・という意識が強すぎると、息苦しくなってしまいますし、仲良くできない自分を、いたずらに責めてしまいます。
苦手な人はいる。どうしてもあわない人がいる。
そんなとき、無理に近づく必要はないのです。仲良くする必要はないのです。
「気が合わないのなら、ちょっと距離をおいて様子をみてみる」
こうして距離をおくことで、お互いにとってよい関係になることもあります。
仲良くなりたいなと思うのならば、少し距離を縮めてみて、様子をみる。
でも距離が近すぎて、苦しいなと感じるのであれば、少し距離をとってみる。
そうして、心地よい距離をみつける。
そうすると人間関係、楽になるのかも知れませんね。
菅野さんがおしゃるように、「ちょっと苦手かも」と思うような人には、あいさつだけはして、自然と敬遠する、保留にしておくというスタンスがよいのでしょう。
あいさつもしない、無視をしてしまうのは、感じが悪いですからね。
あいさつさえしていれば、存在を認めていることになります。
あいさつだけはして、近づかないようにして、距離をおいて様子を見てみると、
相手の意外といい面も見えてくる可能性もあるものです。
心地よい距離感をみつけていく。
近づきすぎて、苦しくなった場合には、すこし距離をとってみる。
「仲良くしなければいけない」「近ければ近いほどいい」といった幻想から
解き放してくれる良書でした。
人間関係に悩んでいる方にオススメです!
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