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令和2年11月23日(月)
こんにちは。
弁護士の神坪浩喜です。
気がつけば11月も下旬となり、今年も残り1か月少しとなっていました。
街路樹の落葉もすすんできました。
紅葉の鮮やかさもいいですが、落ち葉の道を歩くのも好きです。
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さて、突然ですが、あなたはどんなときに「生きがい」を感じますか?
「生きがい」というのは、日々、忙しく仕事や育児をしているときは、意識を向けることがないかもしれませんが、例えば、定年になって会社を退職したとき、子どもが独り立ちして、家を出ていったとき、
「あれ、自分の生きがいってなんだろう?」と考えるものなのかも知れません。
精神科医の神谷美恵子先生は、「生きがい」について、次にように言っています。
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ほんとうに生きている、という感じをもつためには、
生の流れはあまりになめらかであるよりは
そこに多少の抵抗感が必要であった。
したがって生きるのに努力を要する時間、
生きるのが苦しい時間のほうがかえって生存充実感を強めることが少なくない。
ただしその際、時間は未来にむかって開かれていなくてはならない。
いいかえれば、ひとは自分が何かにむかって前進していると感じられるときにのみ
その努力や苦しみをも目標への道程として、生命の発展の感じとしてうけとめるのである。
したがってひとはべつに生活上の必要にせまられなくても、
わざわざ努力を要する仕事に就き、ある目標にむかって歩もうとする。
愛正園のある青年は久しく心臓神経症に悩んでいたが、
あるとき思い切って園内の気象観測所につとめてみた。
この観測所は外部社会にもみとめられているほど優秀で、
青年はここの仕事に参加するはりあいのために
みちがえるほど元気になり、神経症の症状もすっかり消えた。
ところが、その後、年金制度が実施され、その青年もある程度肢体不自由
であったため年金をうけとることになった。
そうなると園内の仕事に就いてはいてはいけないことになり、
せっかく生きがいをおぼえていた観測の仕事をやめなくてはならなくなった。
暇の時間を持てあますようになると案の定、
以前と同じような神経症がいろいろな形をとってあらわれてきたのである。
「生きがいについて」神谷美恵子著(みすず書房)より
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なるほど~。
1)努力や苦労を要するような抵抗感があること
そして、
2)それが未来に向かって開かれ、努力が前進していると感じられること
が生存充実感、生きがいになるということですね。
「努力や苦労なしに、あっさり目的を達成できた方がいい、楽した方がいい」
ついつい、そう考えがちではありますが(私もそう考えてしまいますが)
「生きてるぞ!」という生存充実感、生きがいは
あっさり目標達成では、感じられませんよね。
ゲームでも、簡単にクリアできる場合には、簡単に相手を倒せる場合には、
面白くもなんともないですよね。
ドラマでも、強力なライバルや敵、試練があるからこそ
主人公の闘いが盛り上がってくるのですよね。
ドラマ「半沢直樹」でも、敵が強かったからこそ(憎たらしかったからこそ)、
そして、目標実現にむけて様々な障害があったからこそ、
ドラマチックで面白かったのでした。
学生のころ「信長の野望」「三国志」というシミュレーションゲームに一時期はまっていたときがあったのですが、面白いのは、後半の国力が増強して、兵力の圧倒的差で、必ず勝つ戦いをするときより、序盤から中盤、強国に囲まれ、時には負けもしつつ、でもあきらめないであれこれと戦略をたてて、国盗りをしていくところでした。
ゲームが面白いのも、そう簡単にはクリアできないけれど、がんばってなんとかクリアしようとする場面です。
そして、努力や苦労が、未来のゴール、前に向かっているという感覚も重要です。
自分がやっている仕事が、誰に役にも立たない、自分のためにもならないというものであったとしたら、やりきれないものでしょう。
現実には目標達成ができないとしても、「目標達成に向かって進んでいる感覚」さえあれば
生きている充実感は感じられるのです。
残酷な刑罰に、穴を掘らせて、その後、穴を埋め、また穴を掘らせて、埋めるという作業を
延々とやらせるというのがありました。
「意味を感じられない労働」を強制されられるのは、精神的におかしくなってしまうことでしょう。
以前、お話しした、「3人のレンガ職人」で、
3人のレンガ職人は、傍から見れば、「レンガを積む」という同じ作業をしているのですが、
作業の意味をしっかり持っているレンガ職人は、そうでない職人にくらべて
「やりがい」「働きがい」「生きがい」をしっかり感じながら働いていました。
http://www.ayame-law.jp/14748950843021
神経症を患っていた青年は、気象観測所につとめることで、努力が必要となりましたが、自らの努力によって、社会に役に立っている、社会から必要とされている意味を感じること、
自らが未来に向かって前進しているという感覚をえることができたため、生きがいを感じ、元気になりました。
ところが、年金を受け取れるようになって、働くことができなくなると、青年は、生きることは楽になったとしても「抵抗感」を感じられること、社会から必要とされる感覚をなくし、
自ら前進している感覚、すなわち「生きがい」を喪失して、神経症を再発させてしまったのですね。
私たちは、自らの選択で仕事をしています。
今の仕事が、嫌だったとしても、誰かに勧められたとしても
結局は自らが選択したものです。
その仕事は、食べていくために、収入をえるために働くということが目的であっても
その仕事は、きっと誰かの役に立っているものでしょう。
(だからこそ、会社からお給料だったり、お客さまからお金をいただけます)
仕事は、辛くて苦しいこともあり、努力も必要とされますが、誰かの役にたつことであり、そして自らの成長、前進も得られるものです。
過度な「抵抗感」は、心が折れてしまいますが、
適度な「抵抗感」は、生きている充実感を得るためにも必要なものなんですね。
「今、生きがいを感じられないなあ」と感じる方は、
適度な「抵抗感」と、社会に役にたつことや将来に向けた成長を意識して、
何か新たなことにチャレンジしてみるのもいいかも知れませんよ。
それでは、また。
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