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令和7年1月8日(水)
こんにちは。神坪浩喜です。
憲法の成り立ちについて、小中学生向けに物語をつくりました。国王が好き勝手に税金をとることに困り果てた貴族たちが、そうさせないためのアイデアを考えました。
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「バーガー国ものがたり~3つのアイデア」
狩猟生活をしていた人々は、農業が生まれ、農業が発展するとともに土地に定住し、土地には価値が生まれました。
力を持つ者が、多くの土地を持つ領主となり、家臣に土地を与えるかわりに、家臣が領主に協力するという封建制が生まれました。
その領主の中でも、より強力な者が、領主の中の領主となって、広い地域に絶対的な統治権を持つようになります。それが国王であり、君主です。
国王は、国内の貴族や人民に対して、直接税金をとるのですが、時に好き勝手な税金をとる国王もあり、貴族や人民の間には不満が生まれました。
バーガー国のキング国王もまた「もっと美味いハンバーガーをたくさん食べたい。でも、お金が足らなくなった。ま、貴族や人民から税金をたくさんとればいっか」と好き勝手に税金をとる困った国王でした。
その国の貴族や人民たちは、不満をもち、何とかならないものかと話し合いをしました。
街のバーガーハウスで、3人の貴族がフライドポテトをつまみながら話し合いをしています。
3人の中で一番年長の貴族ポテトが「キング国王が、好き勝手に税金をとってホント困るよね。どうにかならないものか」と言いました。
貴族ナゲットは、うなずきながら「そうだよね。そもそもキング国王が我々から税金をとることができる根拠はなんだ?王っていったい何様なんだ?あ、王様か。ブツブツ・・・。」
貴族サラダがポテトフライをかじりつつ「それは、国王は、神様から統治する権限を与えられたからじゃないの?」と言いました。
すると貴族ポテトは、「いやいや、そんな根拠はどこにある?神が与えたわけではなく、単にキング国王の武力が一番強かっただけでしょ。それに、統治権が神から与えられた権限なら、キング国王が好き勝手に、我々から税金をとることができてしまうじゃないか?」と口をとがらせて言いました。
貴族ナゲット、サラダは「そ、それは困る!」と声をあわせていいました。
こうして、キング国王が好き勝手に税金をとることができないようなアイデアを考えようとしました。
しばらく、3人でうんうんうなった後、
貴族ポテトはこう言いました。
「そうだ!『もともと人民には、生まれながらにして、生命、自由、平等、幸福を追求することができる権利をもってた。国王によって与えられた権利や自由ではない』ということにしよう。そうすれば、国王が、もともとあった自由や権利を好き勝手に奪うことはできないだろう。」(天賦人権思想 自然権思想:基本的人権の尊重)
また貴族ナゲットはこう言いました。
「なるほど~。人にはもともと自由や権利があるというのか。その上で、さらにこう考えてみたらどうかな。『もともとあった自由や権利を守ってもらうために、人々が合意をして、国王に、人民を統治する権限を預けた。国王が統治できる根拠は、人民からの委託にある』と。そうすれば、統治者たる国王は、委託者の人民の権利や自由を勝手に奪うことはできなくなるはずだ。だって、統治権をもつ目的は、人民の自由や権利を守るためなのだから、統治者が逆に、人民の自由や権利を奪ったらマズいでしょ。それに、国王が統治権を預けてくれた委託者を裏切ることは出来なくなるでしょ」(社会契約:国民主権)
それをきいて貴族サラダはこう言いました。
「それっていいアイデアだね!自由や権利を守るために、人民が統治権者である国王に、統治権を委託した契約があるということだね。ならば、その契約を文書で記しておこう。『憲法』という形で、人民の自由や権利を守るために、統治権者がやるべきこと、やってはいけないことを人民が定めて、統治権者に守らせるようにしよう。統治権者もまた法の下におこう。人民の自由や権利を守るためには、権力行使が好き勝手に行われないようにする必要がある。そのために統治権者が守るべき法を文書で定めておくといいんじゃないかな。」(法の支配 立憲主義)
図にするとこんな感じかな。3人の貴族は、人民、国王、憲法の図に、自分のアイデアを書き入れていった。
1 人民にはもともと自由や権利がある・・・だから国王は勝手に人民の自由を奪えない
2 人民が、自由や権利を守るために、国王に統治を委託した・・・だから国王は人民の自由を奪えない
3 国王も、人民が定めた法(=憲法)に従って、統治権を行使しなければならない・・・だから好き勝手に人民の自由を奪えない
ということだね。
「この上で、憲法に、国王が税金をとるためには、人民代表議会での承認を得ると書いておこう。この理屈で、国王は、好き勝手に我々から税金をとることができないぞ」
さっそく、憲法をつくって、キング国王に署名を迫ってみよう。
こうして、3人の貴族は、他の貴族にも、このアイデアを提案し、同意をとりつけました。さらに人民に対しても、この3つのアイデアを披露すると、「人民からは、そうだそうだ、その通りだ!」と賛同を得ることができました。
そこで、バーガー憲法をつくり、3人で、キング国王に憲法を守るように署名を迫りました。
キング国王は、3人の貴族のアイデアは、もっともなこともあり、またこの憲法に署名をしなければ、「カクメイ?革命?レボリューション?」と脅されたこともあり、バーガー憲法を守ることを約束する署名を、しぶしぶしました。
こうして、キング国王は、これまでのように人民から好き勝手に税金を取ることはできず、税金をとる場合には、きちんとその理由、使い途を説明し、議会での承認を得なければならなくなりました。
国王による好き勝手な重税から逃れることができた人民は、より一層働くようになり、主要産業のハンバーガー作りも活発となって、以前より美味しいハンバーガーを安いコストで作ることができるようになりました。
国王は、以前より美味しいハンバーガーを安く食べられるようになって、
「な~んだ、かえってよかったじゃないか」と、自らがバーガー憲法に署名し、憲法を守ることを約束し、憲法にそって国を治めるようになったことを全く後悔しませんでした。
(おしまい)
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3つのアイデアとは、近代憲法の基盤にある自然権、社会契約、法の支配の思想を示しています。
この物語は架空のお話ですが、自然権思想は「基本的人権の保障」、社会契約は、「国民主権」、法の支配は「立憲主義」につながって、日本国憲法にも採用されている「国民の権利自由を守るために、国家権力を憲法でコントロールする」基盤となっています。
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