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正義とは他者に対する公正さ

平成30年7月15日(日)

こんばんは。

弁護士の神坪浩喜です。

 

西日本で大変な豪雨災害が発生しました。

被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

 

東日本大震災の際に作成した災害法律相談QAが今回の水害災害に参考になれば幸いです。

http://www.ayame-law.jp/article/13951356.html

 

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正義って何?ときかれたら、みなさんはどのように答えますか。

なかなか難しいですよね。

 

「正義とは、他者に対する公正さである」

 

東京大学の井上達夫教授はそうおっしゃっています。

 

正義とは、他者に対する公正さであって、自分がその他者だとしたら、自分の考え方や行動が他者の視点・立場から見て本当に正当化できるのかどうかという、自己批判的な吟味です。

 

他者の気持ちが果たしてわかるのか

という批判がある。

 

私の応答はこうです。

 

われわれは自我の檻から抜け出ることはできない。

他者の気持ちなど、完全にわかるわけがない。

他者の視点に配慮しようと努めて、結果として出てきた自分の考え方、これも自分の視点であることは確かです。

 

しかし、およそまったく他者に無頓着に最初に持っていた自分の視点と、他者の視点を配慮した結果、生成してくる自分の視点とは、どちらも同じ自分の視点であって自我の檻を越えることはできないけれど、後者の「自分の視点」の方が倫理的に高次化されているのだ、と。

 

アダム・スミスは共感あるいは同感(シンパシー)に道徳性の条件を求めたけれど、それは二者関係の中の他者の共感ではなく、第三者たる観察者の前で、自分と他者とが論争したとき、

その第三者たる他者の共感をえられるかどうかが、彼の道徳的判断の指針になるはずだということです。

 

その他者は「公正な観察者」で、現実の傍観者ではなく、理念化された存在です。

 

自分の他者に対する要求や行動が、公正な観察者のシンパシーを得られるかどうかを常に考える。

そうした自己批判的吟味をした結果、自己の感情、自己の視点が変容して、自分の中のより高次な「われ」が現われる。

 

では、現実の他者にはいい加減なやつが多いからといって無視していいかといえば、やはりそうではない。

現実の他者の声に耳を傾けなければー私はどうしたって人間は自己欺瞞の天才だと思っているのでー結局は自分にとって都合のいい考え方を「他者もそうに違いない」と押しつけやすい。

 

 

それを避けるためには、常に他者の、とりわけ自分の行動によって負の帰結を負わされる、

その人たちからの異議申し立てに常にさらされていること、そんな立場に身を置かないと欺瞞化するのです。

 

ですから、アカウンタビリティ(答責性)という概念と反転可能性とが、そこで結びついてくるのです。

 

  憲法の裏側 井上達夫 香山リカ ぷねうま舎

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正義とは他者に対する公正さのことである。

 

公正かどうかは、

他者の視点で考える

第三者の視点で考える

他者の異議申立の可能性を考える

 

そのような自己批判的吟味をへて、自分の行動が、果たして公正な要求なのか

自分のエゴではなく、相手からみても、第三者からみても公正なものか

相手の視点で考えるときは、相手の視点を想像して考えること・・・

 

そういったことが大切なのですね。

 

なるほど、確かに、人はどうしても自分の価値観を基準に考えてしまいがちです。

自分が考えているように他者も考えていると思います。

 

自分がされて嫌なことを、相手にしてやろう

というのは、正義でないことは明らかですが、難しいのは、相手によかれと思ったことが、相手にとっては嫌だったということもあることです。

 

会社の上司が、

「自分は昔、こうして上司に厳しく指導をうけたおかげで成長できた」

とそう思って、

部下に対し、厳しい指導をしたところ、

相手にとってはパワハラだったということもあるのです。

 

相手の視点で考えることに加えて、それがあくまで自分の想像であり、相手にとっては嫌なこともありうる、という謙虚さが大切なのですね。

 

相手の様子を見て、「あれ、違うかも」と思ったら、軌道修正したり

ときに謝罪することも必要でしょう。

例えば、ちょっと厳しく叱りすぎたな、と思えばフォローしておきましょう。

 

正義とは、「他者に対する公正さ」であるとともに、

 

「他者に対する思いやり」

 

でもあるような気がしました。

 

読んだ方から、スラスラと一気に読めて面白い!とご感想をいただきました。

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法や裁判、弁護士の仕事に興味がある方は、きっと面白いと思いますよ。

正義や公平についても書きました。

ぜひ、読んでみてくださいね。

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(目次)

はじめに

第1章 そもそも法って何?~いろいろな人がいる社会の中で幸せに生きる仕組み

1 法と幸せ

2 ルールはなぜ必要?

3 よいルールの条件とは?

4 正義って何?

コラム)桃太郎は正義の味方か?

 

第2章 僕たちは憲法のもとに生きている

1 民主主義と立憲主義のはなし

(1)民主主義って何?

(2)民主主義って多数決のこと?

(3)憲法は、国家を縛る~立憲主義

(4)表現の自由がない世界

(5) 民主主義と立憲主義-個人の尊厳をまもる

2 権力分立~権力の濫用を防ぐためのシステム

3 ジョン・ロックのはなし~国家、自然権、法の支配 

4 国民主権って何?

(1)主権が国民にあるってどういうこと?

(2)18歳になったら選挙権行使!

5 基本的人権の尊重~憲法は人権のカタログ

 

第3章 裁判員になっても大丈夫?~刑事手続

1 弁護士はなぜ「悪い人」の弁護をするの?

2 逮捕されてしまった!その後どうなる?

3 犯罪と刑罰のはなし

(1)犯罪って何だろう?

(2)どんな刑罰があるのだろう?

(3)死刑制度について考えてみよう

(4)なぜ刑罰が必要なのだろう?~刑法の目的

4 刑事手続

(1)いきなり「刑務所行き」にはできない

(2)なぜ、被疑者、被告人には黙秘権があるの?

5 検察官の役割

6 弁護人の役割

7 無罪推定の原則~疑わしきは被告人の利益に

8 もしも君が裁判員に選ばれたら~裁判員として知っておきたいこと

(1)裁判員とは?

(2)裁判員になるまで

(3)裁判員として審理に立ち会う

   証拠に基づく事実認定を行う

   量刑~被告人に言い渡す刑をどうする?

第4章 大人になる前に知っておきたい契約・損害賠償のこと~契約、市民生活に関する法

1 契約って何?

2 どんな契約も守らないといけないの?

(ア)契約の拘束力にも例外がある

(イ)契約を解約できる場合

1)未成年者取消権

2)詐欺取消、強迫取消

3)債務不履行契約解除

4)合意解約

5)クーリングオフ

3 悪徳商法に騙されないために

1)ワンクリック詐欺

2)デート商法

3)マルチ商法

4 借金を返せなくなったらどうなる?

(1)お金を借りることの意味

(2)友達から「保証人」になってと頼まれたら

(3)もし借金に困ったら

 

5 働くときのルール ワークルール

(1)立場が弱い従業員を守るワークルール

(2)働く前に知っておきたいワークルール

1)労働時間

2)賃金

3)休暇

4)解雇のルール 

(3)ブラック会社に気をつけよう

(4)セクハラ・パワハラで困ったら

 

6 損害賠償のはなし

(1)どんなときに損害賠償請求ができるのか?

(2)「損害の公平な分担」という考え方

 

第5章 交渉法を身につけよう!

1 交渉って何?

2 交渉のコツ

(1)準備が大切

(2)交渉の場で

①感情的にならずに冷静に伝える

②論理的に伝える

相手の言い分をきく

④自分の言い分と相手の言い分とを整理する

⑤解決案を考える

 

第6章 トラブルに巻き込まれたら

1 弁護士に相談してみる

 弁護士の探し方

 いい弁護士の見分け方

2 調停というもめごと解決法もある

 

第7章 裁判所ってどんなところ?

1 裁判の役割

2 裁判傍聴に行ってみよう

3 裁判官という仕事

(1)裁判官の責任は重大

(2)裁判官ってどんな人?

(3)裁判官のやりがい、苦労

 

第8章 法的なものの見方・考え方を身につけよう!~大人の知的技能

1 主張(意見)に理由をつける

2 事実と意見を分ける

3 事実の中で、どういう事実が重要になるかを見極める

4 事実については、裏付ける証拠がないかを確認する。

5 論理的思考とは

 

おわりに

「個人の尊重」-何かを大切に思う気持ちに違いはないこと

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