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平成21年8月17日(月)
皆さん、こんにちは。
神坪です。
お盆休みは、いかが過ごされましたか。
私は、家族で、キャンプにでかけました。
家族でキャンプというと、日頃は仕事が忙しくて存在感の薄いお父さんが
頑張って、存在感を示す絶好の機会なのでしょうが、
我が家では、ますますお母さんの存在感が光るキャンプでした。
いいんです。これで家庭が平和なら・・・
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さて、「悪いことをしたら、お巡りさんに捕まって、牢屋に入れられる」
このような認識は、おそらく小学生高学年あたりには、もつものだろう思います。
悪いこと=犯罪行為
お巡りさん=警察
ということになるでしょう。
では、牢屋というのは、何だと思いますか?
刑務所でしょうか?
警察に逮捕されて、まず入る場所は、いきなり刑務所ではありません。
警察署の留置施設(留置場)です。
警察署の中にある檻(おり)の中に入れられます。
警察庁のホームページに留置場の様子がのっていました。
きっと皆さんの「牢屋」のイメージにそうものかと思います。
なぜ逮捕されると留置場に入れられるのでしょう。
悪いことをした罰のため?
それが違うんです。
え?違うの?悪いことをした罰じゃないの?
結構多くのかたが、このような印象を持たれるのではないでしょうか。
でも、罰として、留置場に入れられるわけではありません。
有罪と決め、刑罰の種類や重さを決めるのは裁判所なのですから、
警察が留置場に入れることは、刑罰ではありえないのです。
逮捕されると留置場に入れられ、自由が奪われる理由は、
警察や検察できちんと捜査するためです。
つまり逮捕(さらにそれに続く勾留)によって、警察や検察は、被疑者を徹底的に取調をするためです。
身柄を拘束していれば、必要な時に、必要な時間をかけて取調をすることができます。
身柄拘束をしていなければ、捜査の対象となった者が、逃げ出したり、犯罪に関する証拠を隠したりするおそれがあるかもしれません。
そこで、捜査の実をあげるために警察が被疑者の身柄を拘束するのです。
留置場という檻の中に入れることは、法の建前としては「刑罰」ではありません。
刑罰は、犯罪者に対して執行されるものであり、犯罪者とされるのは、裁判によって有罪とされてからですから(無罪推定の原則)。
犯罪をしたと疑われ(被疑者)、捜査の対象となっているため、その捜査の実をあげるために法(刑事訴訟法)が身柄を拘束することを許しているわけです。
ですが、身柄拘束を受けている本人にとってみれば、もうすでに刑罰を受けているような感じでしょう。
せまい檻の中での居住を強いられ、仕事をしたり、家族と食事したり、好きなものを食べたりすることは全くできません。
私達の感覚としても、逮捕から、「牢屋に入れられる」と、すでに罰が始まっているような感覚ではないでしょうか。
そして、「悪いことをしたんだから、それは当然。」という感覚もあったりします。
でも、しつこくてすみませんが、ここでも、警察が間違って無実の人を逮捕する可能性があること、そして、その人も留置場に入れられ、その身体の自由を奪われることを、少しだけでも心にとどめていただきたいのです。
私自身も、大学で法律を学ぶ以前においては、留置場も刑務所もにたようなもの、「牢屋」ということでひとくくりにできるようなものという感覚がありました。
でも、留置施設と刑務所は、しっかり分けておく必要があるものです。
逮捕された人が、警察署の留置場の後、「拘置所」という所に、身柄を移されることがあります。
皆さんは、「拘置所」という施設の存在をご存じでしょうか。
拘置所は、主に、まだ裁判が確定していない者(被疑者・被告人)を収容する監獄です。
仙台市若林区古城には、宮城刑務所と仙台拘置支所が同じ敷地にあります。
刑務所も拘置所も受付の窓口は一つです。
面会受付票には、「未決用」と「既決用」があります。
そこで、面会希望者は、拘置所に入っている人に面会するときは「未決」の面会票に記入をし、
刑務所に入っている人に面会するときは「既決」の面会票に記入します。
「既決」と「未決」、
一体何が既に決まったのか、決まっていないかというと
「裁判によって有罪で刑務所に行くことが決まったか、決まっていないか」です。
有罪と決まり、無期懲役や懲役○年と決まった人がいるところが「刑務所」です。
まだ刑事手続中で、判決で刑が確定していない人がいるところが「拘置所」です。
どちらも、檻の中で暮らす監獄ですが、
「刑務所」は、懲役刑や禁錮刑の執行として、つまり「刑罰」を受けるために、檻の中に入れられます。(懲役刑では、強制労働もさせられます)
他方で「拘置所」は、捜査の対象とされていたり、刑事裁判にかけられているため、逃げないように、証拠を隠したりしないようにということで檻の中に入れられる訳です。
拘置所の身柄拘束は、警察署の留置場と同じように、「刑罰」ではないのです。
しかし、その実態として、檻の中に閉じこめられて自由が奪われる訳ですから、既に罰を受けているような感じでしょう。
拘置所生活も、「犯罪者」と決まった人が入る刑務所の生活と同じように辛いものです。
そこでその実態を考慮してか、裁判所の懲役刑を言い渡す有罪判決でも、
「被告人を懲役3年の処する。未決勾留日数30日をその刑に参入する。」
なんて、未決勾留のため拘置所に入れられている期間の一部を懲役期間にカウントしたりします。
でも、そもそもこのようなものでいいのでしょうか?
実態として、まだ裁判で有罪と決まっていない人を、刑務所と同じような檻の中に閉じこめておくことって、そもそも当然のことなのでしょうか?
拘置所という檻の中に入れられれば、通常の社会生活は全くできなくなります。
会社に行くことも、家族そろってご飯を食べることも、自由に身体を動かすことも、好きな音楽を聴いたり、映画をみたりすることも、何もできなくなります。
実態は、刑務所生活と大きくは変わりません。著しくその自由が奪われている生活です。
「無罪と推定される人」であるにもかかわらずです。
裁判で有罪と決められる以前に、警察に疑われた段階で、犯罪者扱いされるという感覚は
刑務所も留置場・拘置者のどちらも「檻の中」ということ、その区別がよく分からないことからも、
私達に相当深く根付いてしまっているのかも知れません。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
私は、
「未決」と「既決」とは、理屈だけでなく、施設も待遇ももっとしっかり分ける必要があること
「未決」の者は、あくまで無罪が推定される者として扱い、実質的な先取り「刑罰」を下してはならないこと
そして、身柄拘束を受けた場合にその人やその家族が被る影響を、
権力行使に携わる人(警察官、検察官、裁判官)は、常に心にとどめておく必要があるのではないかと思っています。
犯罪を犯した者は、法の裁きを受け、きっちりと、法に定める範囲内で、
適切な裁判を経た上で、適切な刑罰を受けてもらう。
それ以上、それ以外の「刑罰」があってはならない。
そう、私は考えています。
あなたは、どのように思いますか。
それでは、また。
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