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執着を手放す-「チーズはどこへ消えた?」

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平成23年7月31日(日)


こんにちは。

神坪浩喜です。


昨日は、仙台弁護士会のジュニア・ロースクールでした。

若手の弁護士さん達が一生懸命がんばって準備をしてくれたおかげで、とても充実したものになりました。

生徒さん達のアンケートの声も「とても楽しかった!」「勉強になった!」「来年もまた来たい!」
等と言ってくれてとても嬉しいものでした。

参加した生徒さんも、私たち弁護士もきっと楽しい夏の思い出として記憶に残ることでしょう。

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さて、今回は、「チーズはどこへ消えた?」(スペンサー・ジョンソン著 扶桑社)をもとに、「執着を手放すこと」についてお話しようと思います。

この本も、有名な本なので読まれた方も多いかも知れませんね。この本では、物語を通じて、状況の変化にいかに対応すべきかを説いています。

この物語に登場するのは、ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホー。

2匹と2人は「迷路」のなかに住み、「チーズ」を探します。

「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、つまり仕事、家族、財産、健康、精神的な安定・・・等々の象徴

「迷路」とは、チーズを追いもとめる場所、つまり、会社、地域社会、家庭・・・・等々の象徴です。


ネズミのスニッフとスカリーは、単純で非能率的な方法、つまり試行錯誤を繰り返しながらチーズを探していました。
ある通路を進んでいって何もなければ、引き返して今度は別の通路を探すのです。

あまり考えることなく、そこにチーズがないなら、別の道を行くというように、行動重視なのですね。


小人のヘムとホーは過去の経験から得た教訓と思考による方法をとっていましたが、複雑な頭脳により、思考重視でチーズを得ようとしていました。

二人はうまくいくときもありましたが、強力な人間の信念と感情がものの見方を鈍らせてしまうこともありました。そのため迷路の中で生きるのがいっそう複雑で難しいものになっていたのです。

ある時、二匹と二人は、チーズ・ステーションCで、大量のチーズをみつけました。

「これだけあればずっと大丈夫だ」小人たちは幸せになり、うまくいったことを喜び、自分たちは安泰だと思いました。


ところが、しばらくすると、当たり前のことですが、チーズは食べ尽くされて消えてしまったのです。

ネズミたちは、事態をくわしく分析したりはせずに、ステーションCのチーズがなくなったのだから別のところを探そうということで、すぐに新しいチーズを探しに出かけました。ところが、小人達は、あきらめ切れずに、またステーションCにやってきて・・・


(以下、本からの引用)


事態は変わっていなかった。チーズはなかった。
二人は途方にくれ、まるで銅像のようにただ突っ立っていた。

「われわれは小人だぞ。特別なんだ。こんなことがあっていいわけはない。
少なくとも何か得することがなくちゃならない」

「どうして?」ホーが聞いた。

「われわれには権利がある」ヘムはきっぱり言った。

「何に対する権利?」
「われわれのチーズにだよ」
「どうして?」
「この事態はわれわれのせいじゃないからだ。誰かほかの者のせいなんだから、
われわれはこうなったことで何かもらうべきだ」

ホーが提案した。
「もうあれこれ事態を分析するのはやめて、見切りをつけて新しいチーズをみつけたほうがいいと思うんだが」

「だめだ」ヘムは言い張った。「なんとしても真相を究明するんだ」

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いかがでしょうか。端から見るとヘムの執着は、愚かな感じがしますよね。


自分の責任を問わず、事態は変化するものであり、あったものもなくなるのは必然なのに、自分は何もしていないからといって従前あった「チーズ」に執着すること、そして、真相究明だと言って、あれこれ事態を分析することに、時間を費やしてしまうこと、他者や運の勢にして、きっと「チーズ」がなくなったことの代償がもらえるはずだとそこで待ち続けること・・・・。


客観的に眺めていると、ヘムに対して「さっさと諦めて動きなさいよ!動かないと事態はよくならないよ!」とつっこみたくなるところです。

でも、当事者の立場に立つと、苦労して、一旦手に入れた「チーズ」があることの幸せを知った後で、その「チーズ」がなくなった場合、その事実を受け入れて、あきらめることは、とても難しいことです。


あんなにも苦労して手にいれた仕事をなくしてしまった・・・。

あんなに仲が良かったパートナーと別れてしまった・・・。
一緒にいれて幸せだったな。でも今は、いなくなってしまった。


「どうしてだろう。なぜだろう。いったい何がいけなかったのだろう?」


こうして、頭の中で、ぐるぐると「どうして、どうして?」の問いかけがこだまするばかりです。


もちろん、原因を調べて、改善することは大切なことです。しかし、真相究明は次の行動をするためのものであって、それ自体を目的にすることは意味がありません。真相究明を、その場にとどまったり、何もしないでいることの正当化にしてしまうと、「チーズ」を手に入れることはできないのです。

この物語のとおり、人は、ついつい何かに執着したり、その場にとどまってしまったり、考えすぎて恐れに支配されて、結局何もできなくなってしまいがちです。苦労して手に入れたもの、大切なものほど、そうなりがちになります。
心情として、どうしても執着したくなります。「今まで、あったのだから、これからもあるはず」とか、「自分は、何も悪いことしていないのだから、もとにもどるはず」とか・・・。

しかし、世の中、全て自分の思い通りになる訳ではありません。すべては、移ろい変わるもので、永遠とか絶対のものは、存在しないのが現実なのです(だからこそ、「今この時」や「今この時の人とのつながり」がかけがえのないものであり、愛おしいものといえます)。

しかし、人の願いとしては、どうしても永遠や絶対を求めてしまうものでしょう。その願いに囚われてしまうと、移ろう現実を見ずに、変化を受け入れることができなくなってしまいます。変化するという事実を受け入れることが怖くて、目を背けてしまいがちなのです。


だからこそ、「チーズ」がなくなること、変化は起きるもの、そういうものだとということをふまえて、考えすぎずに恐れずに行動することが大切になってくると、この本は説いているようです。

どこか「思い出ばかりにひたってはいかんよ」とも言われているような・・・。

私にも、身に覚えがあるだけに、イタ・タ・タ・タ・・・でした(笑)。


思い出は思い出として、大切にとっておくことにして、その場所を離れ、歩き出せばまた新しい「チーズ」を見つけることができるかも知れません。もし、今、何かに執着しているならば、幸せに生きるためには、その執着を勇気をもって手放し、新しい道に踏み出すことができるといいですね。



※関連のお話です。

実践する人、しない人

 

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今年のジュニア・ロースクールの模擬裁判では、私は「被告人」になりました。

電気倉庫に窃盗目的で侵入したのではないかと窃盗未遂の疑いで裁判にかけられている被告人です。

 

なるべく有罪方向に傾くようにと、若手の弁護士さんによってシナリオは作られたのですが、私は、それでも無罪を勝ち取るべく、最終意見陳述は、好きに言わせていただきました。

キャラクター設定は、どういうわけか自由奔放な妻に振りまわされる哀れな夫、愛妻家(恐妻家?)で、妻の名は「沢尻ユリカ」といいます。

 

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(最終意見陳述)

 

私は、確かに人様の倉庫に勝手に入るという悪いことをしました。
深く反省しています。

 

でも、電化製品を盗むつもりで入ったわけではありません。
倉庫には、雨宿りをしようと思って入っただけなんです。

 

私は、ユリカの喜ぶ顔がみたくて、ユリカが望むものは
何でも買ってあげたいと思っていました。

 

そう思って、借金までして、ユリカが欲しいものを買ってしまいました。
でも、だからといって人様のものを盗もうだなんて思ったりしていません。

 

泥棒をするつもりなんてなかったのです!

 

私は、ユリカのことを心から愛しています。
私には、ユリカが必要だし、ユリカには私がそばにいなくてはいけないのです。

 

みなさん、どうか真実を見抜いて、私をユリカのもとに帰してください。

 

どうか、よろしくお願いします! 

 

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この「愛の訴え」が効いたのか(いや、目撃証人の信用性のなさに助けられました)、
無罪26:有罪20で、かろうじて窃盗未遂無罪になりました。

 

判決を聞くまでは、私も結果は分かりませんでしたので、判決を聞くときは
ドキドキでしたし、無罪ということが分かると、本当に嬉しかったです。

 

思わず「やったあ!!」と叫び、ユリカのもとに駆け寄って手を握り合って喜んだのでした。

そう、やはり最後に愛は勝つのです!(笑)

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それでは、また。

 

あなたが、ますます幸せでありますように!

 

被災地が一日も早く復興しますように!

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