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平成25年1月1日から、家事審判法に変わって家事事件手続法が施行されました。
家事事件の手続が新しくなったです。どのように変わったのか、Q&A形式で主なポイントをお話いたします。
Q1: 家事審判手続法とは何を定めた法律なの?いつから施行されたの?
A1: 家事事件手続法とは、家事事件の手続を定める法律で、平成25年1月1日から施行されました。
家事事件は、夫婦間の紛争や成年後見など家庭に関する事件のことをいい、家事審判に関する事件と家事調停に関する事件に分かれます。
審判は、裁判官が、両当事者の言い分や様々な資料に基づいて判断し決定する手続です。
調停は、裁判官1人と調停委員2人以上で構成される調停委員会が、当事者双方から言い分を十分に聴きながら、話し合いを行う手続です。
家事事件手続法は、平成25年1月1日から施行され、平成25年1月1日以降に申し立てられた家事事件が適用になります。
Q2: どうして家事事件手続法が制定されたの?
A2: 家事事件の手続を国民にとって利用しやすく、現代社会にマッチした内容とするためです。
昭和23年1月から施行された家事審判法を廃止して、あらたな手続を定めたものが家事事件手続法です。家事審判法施行開始より65年を経過して、家族をめぐる状況や国民の法意識は大きく変化しました。現代社会では、当事者が手続に主体的に関わるための機会を保障することが重要になってきました。そこで、家事事件の手続を国民にとって利用しやすく、現代社会に適合した内容とするために、全面的に見直し、新たに家事事件手続法が制定されたのです。
Q3: 具体的にどのような点が見直されたの?
A3: 具体的に見直しのポイントは主に次の点です。
・当事者等の手続保障を図るための制度を充実させること
・家事事件の手続を国民にとって、より利用しやすいものとすること
・手続の基本的事項を整備すること
当事者に適正手続保障し、また手続の透明性の確保することによって、当事者に主体的に紛争を解決するという紛争解決意欲を高めてもらうことを目指しています。必要な情報をお互いに認識した上で、自らの判断によって、主体的自律的に紛争解決してもらうことを期待しているといえます。
Q4: 家事事件手続法は、家事審判法とどんなところが変わったの?
A4: 重要なところでは、
① 申立書の写しの原則送付
② 審判における当事者からの謄写閲覧請求は原則許可
③ 陳述の聴取が必要的になったこと
④ 子どもなど審判の結果により影響を受ける者の手続保障がなされたこと
⑤ 電話会議テレビ会議システム利用の手続を認めたことです。
従前は、感情的なものに配慮して、裁判所、調停委員会の方で後見的に情報統制を行っているような感じでしたが、 新しい手続は、情報の透明性を確保し、当事者が必要な情報にアクセスできるようにし、また情報発信がしやすいようにした上で、当事者による自律的な紛争解決を促すものと言えます。
① 申立書の写しの原則送付
原則として、申立書は相手方に送付されることになりました(法256条1項本文)。
家事審判法下では、相手方が感情的にならないように、申立書の写しを送るとはされておらず、運用にまかされていましたが、現代社会においては、自分自身の紛争に関する情報について入手できることが重要であり、また事前に検討して自分の言い分などを準備することができることから、原則送付としたのです。
ただし例外として「家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるとき」(256条1項但し書き)例えば申立書を相手方にそのまま見せてしまうと、申立人と相手方との間の感情のもつれが一層激しくなって、手続の円滑な進行に支障をきたすおそれがある場合は、申立書の送付はいたしません。
② 記録の閲覧謄写
審判と調停では扱いが異なります。
○審判
当事者からの請求は原則許可するものとしました(法47条3項)。
ただし、事件に関係する人のプライバシー等に配慮して、例外として一定の場合には不許可とすることができるとして、不許可とされる場合を明確に規定しました。
不許可とされる場合は以下の4つです。
ⅰ 事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれがあると認められるとき
ⅱ 当事者又は第三者の私生活又は業務の平穏を害するおそれがあると認められるとき
ⅲ 当事者又は第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより、その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ、又はその者の名誉を著しく害するおそれがあると認められるとき
ⅳ 事件の性質、審理の状況、記録の内容等に照らして当該当事者に申立を許可することを不適当とする特別の事情があると認められるとき
○調停
家事審判法と同じく、裁判所が「相当と認めるとき」にだけ記録の閲覧・謄写ができます(法254条3項)
③ 陳述の聴取
相手方のある家事審判事件では、原則として、当事者の陳述(事件についての認識、意見、意向等)を聴取しなければならず、当事者の希望があれば、裁判官が直接陳述を聴く手続によって行わなければならないこととしました。
④ 審判の結果により結果を受ける者(子どもなど)の手続保障
・審判の結果により影響を受ける者が手続に参加した場合の権限を明確にし、閲覧謄写等について、当事者と同様の権能を与えることとしました。
・個別の家事審判事件ごとに、審判の結果により影響を受ける者等から陳述を聴かなければならない場合を明記しました。
・特に子どもが影響を受ける事件では、子どもの意思を把握するように努め、これを考慮しなければならないとしました(法65条、258条)。
⑤ 電話会議システム
遠隔地に居住しているといった事情でなかなか出頭が厳しいという場合に、電話会議やテレビ会議の方法で調停の手続を行うことができるようになりました(法54条、258条1項)。
ただし、離婚や離縁の調停を成立にあたっては、本人の意思を慎重に確認する必要があることから、電話会議やテレビ会議の方法ではできません。
「民事調停について思うこと」でもお話しましたが、これからは「当事者による自律的な紛争解決」という視点が、重要です。
「お互いが必要な情報を出しあって、その情報を前提として、これからの紛争解決に向けた提案をお互いが冷静に出しあい、自らで紛争の解決を選びとる」そういったことが、浸透していくといいなと思います。
このような考え方は、「自分たちの身の回りに起きる様々な問題について、自律的・主体的に考え、判断し、行動する能力や態度をもった市民を育成する」という法教育のめざすところとリンクしているのですよ。
以上、家事事件手続法施行についてのお話でした。
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