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論理力-主張、根拠事実、事実からの推論

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平成25年1月20日(日)

 

こんにちは。

 

神坪浩喜です。

 

さて、知的で聡明な人って素敵ですよね。

知的で聡明な人は、単に知識量が豊富ということではなく、ポイントを捉え、話が論理的ですっと頭に入ってくる感じですし、こちらの話もきちんと受け取ってくれて、話していて心地がよいものです。

 

知識が豊富であっても、どこか本質的なところがずれていたり、話が論理的でないと、知的で聡明な印象は受けません。

 

人と温かなつながりを持つためにも、より知的で聡明な人、論理的な思考ができ、論理的な話ができる人に私はなりたいなと思います。

 

ところで、そもそも「論理的」ってどういうことなのでしょうか。

 

「なぜか成果が出てしまう人」の習慣術(土井哲・髙木進吾著 東洋経済)では、次のように「論理」を説明しています。

 

=================================

 

論理力とは 「物事の関係を捉え、正しく考える力」です。

 

物事の関係とは、結論と根拠の関係だけではなく、原因と結果の関係、全体と部分の関係、相手の主張と自分の主張との関係など、様々なパターンの関係があります。

 

これらの関係がしっかりした話をしていれば、「この人の話は論理的だ」と捉えてもらえて、納得感も高まります。

 

論理的ではないというのは、話の内容に、モレ(入るべき内容が網羅的に示されていない)、矛盾(両立しない内容になっている)、飛躍(内容と内容の距離が遠い)があるといった関係がしっかりしていない場合です。

 

では、関係をしっかりさせるためにどうすればいいのでしょうか。

 

その効果的なツールとして 「空・雨・傘」があります。

「空・雨・傘」は「事実、意味合い、打ち手」という3要素のコンビネーションです。

 

「①空が曇っている(事実)→②雨が降りそうだ(事実から何が言えるかの意味合い)→③傘を持って出かけよう(打ち手)」

 

つまり、事実に基づく根拠やそこから導き出された意味合いが示されて結論が述べられていると、話が論理的でわかりやすく、納得感も高まるということです。

            「なぜか成果が出てしまう人」の習慣術より

 

==============================

論理は、関係がしっかりしていること、議論の中では、主張と根拠との関係がしっかりしていることを意味します。

 

そのために、主張(意見)、根拠(事実)、事実からの推論をおさえることが重要です。

 

ですから、論理力をつけるためには、

①相手の話から、主張、根拠事実を取り出す。主張と根拠のつながりを考える

②自分が話をするときは、主張と根拠を伝える。主張と根拠のつながりを考える。

ことが基本中の基本なのですね。

 

すなわち、

「主張は何だろう?」

「その根拠は何だろう?」

「主張と根拠はちゃんとつながっているのかな?」

この問いかけを、意識的に行って検証し答えをだすことで、論理的な思考が導かれるのです。

 

少し例をあげましょう。

 

先日行った法教育出前授業では、商店街の自転車乗り入れ全面禁止にするか否かについて、生徒さんに話し合ってもらいました。

 

Aさんはこう訴えます。

「私は、今回、通学途中の高校生に自転車でぶつけられて骨折をし、とてもつらい思いをしました。

これは商店街の中で自転車が走っているのがいけないのです。商店街に自転車が走っていると、これからも不安でたまりません。

安全のために、商店街内の自転車乗り入れを全面禁止にしてください。」

 

この中で、①主張②根拠事実③推論を抽出するとどうなるでしょうか。

 

①Aさんの主張は何でしょうか?

→「商店街内の自転車乗り入れを全面禁止にしてください」というものですね。

 

②では、その根拠事実は何でしょうか?

→それは、Aさんが、商店街内で走っていた自転車にぶつけられて、ケガ(骨折)をしたという事実です。

 

③そして、その事実から

「自転車が商店街内を走るとまた誰かがぶつけられてケガするかもしれない」という推論を立てて、安全のために自転車乗り入れを全面禁止にすべきという主張につながるわけです。

 

この例では、主張と根拠事実とは、つながっています。

 

では次の例はどうでしょうか?

 

例1)「A君は足が速い。なぜならA君は陸上部だからだ。」 

 

主張-A君は足が速い

根拠-A君は陸上部だ       

推論(根拠事実からの推論)-陸上部なら足が速いのだろう 

 

陸上部であれば、通常、足が速い人なのだろうという推測が働きますので、つながっていると言えます。

 

では同じような例ですが、これはどうでしょう?

 

例2) 「A君は足が速い。なぜならA君は茶道部だからだ。」

主張-A君は足が速い

根拠-A君は茶道部だ

 

しかし、茶道部から足が速いだろうとはつながりませんよね。

主張と根拠事実とがつながらず、論理的ではない(論理に飛躍がある)ことになります。

 

主張には理由が伴わなければなりません。相手と対立する主張を言う場合には特にそうです。

理由は、通常、「根拠となる事実」と「事実から主張が導かれるという推論」を要素としています。

つまり、その根拠事実は主張と関係のあるものでなければならないのです。 

 

主張が説得力を持っていることは、理由がしっかりしていること、それはすなわち根拠となる事実から主張へのつながりが「強い」場合です。

 

以下の例の場合、根拠事実と主張へのつながりは「強い」といえるでしょうか?

 

例3)「XはYの財布を盗んだ。なぜならXはYの財布を持っていたからだ」

 

 

主張-XがYの財布を盗んだ

根拠-XがYの財布を持っていたこと    

推論-XがYの財布を持っていたのなら、XがYの財布を盗んだからだろう 

「XがYの財布を持っていた」という事実から、必ず「XがYの財布を盗んだ」ということが導かれるでしょうか?

その例外はないでしょうか?

 

ここで、例外が考えられないというのであれば、根拠と主張のつながりは強く、その主張に説得力が与えられます。

しかし、例外がいろいろと見つかるようであれば、根拠と主張のつながりはまだ弱くて、他の根拠事実で主張を支える必要があります。

 

XがYの財布を持っている事実には、Xが落ちてあったYの財布を拾った可能性やXが別の誰かからYの財布をもらったり、買ったりした可能性も考えられます。

 

そのような例外の可能性も考えながら、「つながりの強さ」を見ていくわけです。

 

以上、論理的な人になるための基礎である

①主張、②根拠事実、③推論(根拠と主張のつながり)についてのお話をしました。

 

この考え方は、相手の話を理解しようとするときや自分の伝えたいことを相手に伝えようとするときに、便利で効果的な考え方ですから、ぜひおさえて活用してみてくださいね。

 

多くの人が論理力を身につけて、知的で聡明な人になれますように!

 

※関連のお話です。

 

それは事実かな?意見かな?

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「空・雨・傘」というのは、ロジカルシンキングでの有名なツールですが、

松下幸之助さんの「雨が降ったら、傘をさす」という有名な言葉は、

生き方の指針として、心にとめておきたいなと思う言葉です。

 

雨が降ったら、傘をさす。

 

雨が降ること、運が悪いこと、起きた出来事を恨まずに、

起きた事実を受けとめて、今、自分ができることをしておこう

起きそうな事実にあらかじめ備えておこう・・・。

 

なかなか難しいことかもしれませんが、そんなふうに生きていきていけたらいいですね。

 

それでは、また。

 

あなたが、幸せでありますように!

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(目次)

はじめに

第1章 そもそも法って何?~いろいろな人がいる社会の中で幸せに生きる仕組み

1 法と幸せ

2 ルールはなぜ必要?

3 よいルールの条件とは?

4 正義って何?

コラム)桃太郎は正義の味方か?

 

第2章 僕たちは憲法のもとに生きている

1 民主主義と立憲主義のはなし

(1)民主主義って何?

(2)民主主義って多数決のこと?

(3)憲法は、国家を縛る~立憲主義

(4)表現の自由がない世界

(5) 民主主義と立憲主義-個人の尊厳をまもる

2 権力分立~権力の濫用を防ぐためのシステム

3 ジョン・ロックのはなし~国家、自然権、法の支配 

4 国民主権って何?

(1)主権が国民にあるってどういうこと?

(2)18歳になったら選挙権行使!

5 基本的人権の尊重~憲法は人権のカタログ

 

第3章 裁判員になっても大丈夫?~刑事手続

1 弁護士はなぜ「悪い人」の弁護をするの?

2 逮捕されてしまった!その後どうなる?

3 犯罪と刑罰のはなし

(1)犯罪って何だろう?

(2)どんな刑罰があるのだろう?

(3)死刑制度について考えてみよう

(4)なぜ刑罰が必要なのだろう?~刑法の目的

4 刑事手続

(1)いきなり「刑務所行き」にはできない

(2)なぜ、被疑者、被告人には黙秘権があるの?

5 検察官の役割

6 弁護人の役割

7 無罪推定の原則~疑わしきは被告人の利益に

8 もしも君が裁判員に選ばれたら~裁判員として知っておきたいこと

(1)裁判員とは?

(2)裁判員になるまで

(3)裁判員として審理に立ち会う

   証拠に基づく事実認定を行う

   量刑~被告人に言い渡す刑をどうする?

第4章 大人になる前に知っておきたい契約・損害賠償のこと~契約、市民生活に関する法

1 契約って何?

2 どんな契約も守らないといけないの?

(ア)契約の拘束力にも例外がある

(イ)契約を解約できる場合

1)未成年者取消権

2)詐欺取消、強迫取消

3)債務不履行契約解除

4)合意解約

5)クーリングオフ

3 悪徳商法に騙されないために

1)ワンクリック詐欺

2)デート商法

3)マルチ商法

4 借金を返せなくなったらどうなる?

(1)お金を借りることの意味

(2)友達から「保証人」になってと頼まれたら

(3)もし借金に困ったら

 

5 働くときのルール ワークルール

(1)立場が弱い従業員を守るワークルール

(2)働く前に知っておきたいワークルール

1)労働時間

2)賃金

3)休暇

4)解雇のルール 

(3)ブラック会社に気をつけよう

(4)セクハラ・パワハラで困ったら

 

6 損害賠償のはなし

(1)どんなときに損害賠償請求ができるのか?

(2)「損害の公平な分担」という考え方

 

第5章 交渉法を身につけよう!

1 交渉って何?

2 交渉のコツ

(1)準備が大切

(2)交渉の場で

①感情的にならずに冷静に伝える

②論理的に伝える

相手の言い分をきく

④自分の言い分と相手の言い分とを整理する

⑤解決案を考える

 

第6章 トラブルに巻き込まれたら

1 弁護士に相談してみる

 弁護士の探し方

 いい弁護士の見分け方

2 調停というもめごと解決法もある

 

第7章 裁判所ってどんなところ?

1 裁判の役割

2 裁判傍聴に行ってみよう

3 裁判官という仕事

(1)裁判官の責任は重大

(2)裁判官ってどんな人?

(3)裁判官のやりがい、苦労

 

第8章 法的なものの見方・考え方を身につけよう!~大人の知的技能

1 主張(意見)に理由をつける

2 事実と意見を分ける

3 事実の中で、どういう事実が重要になるかを見極める

4 事実については、裏付ける証拠がないかを確認する。

5 論理的思考とは

 

おわりに

「個人の尊重」-何かを大切に思う気持ちに違いはないこと

仙台市泉区泉中央の弁護士2名(弁護士神坪浩喜  弁護士林屋陽一郎)

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