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日記・コラム

お金がないのが一番強いんです。

平成18年11月30日(木)

皆さん、こんにちは!今日で11月もおしまいですね。

このホームページのおかげで、たくさんの方からの事件依頼を受けました。そのため大変申し訳ありませんが、当事務所の処理能力からすると、12月は、新件の受任は基本的にしないで、これまで受けた事件の対応にエネルギーを注いでいこうと思っております。

さて、前回、3「その法的権利は実現可能か?」が問題となってくるとお話しました。

一言でいうと、相手にお金があるかどうか?です。

AさんがBさんに100万円お金を貸したという例でいいますと、Aさんは裁判を起こして、裁判所からめでたく「Bさんは、Aさんに100万円を支払え」という判決をいただきました。

で、自動的に、AさんはBさんから100万円を回収できるのでしょうか?

判決で、Bさんが観念して、自ら100万円を返してくれたらいいのですが、Bさんが開き直って、払わないとなったらどうなるのでしょう?

その場合、差押えとかして、強制執行をするしかないのです。

「判決をとる」ことの意味は、強制的に先方の財産を差押え、お金に換えて、回収できるというところにあります。

(ですから、財産のある人は、差押えられたくないので、大抵は進んでお金を払ってきます。「判決」のご威光が効いているわけですね!)

では、何を差し押さえるのかというと、それは、相手の「財産」ということになります。

ですから、相手に、財産がないと、いくら強制執行をしても、「空振り!」「残念!」という結果になるのですね。

そこで、Aさんのような相談を受けた際に、弁護士は

「Bさんには、何か資産あります?例えば不動産とか?またBさんはどこにお勤めですか?」なんて質問をして、Bさんに財産があるかを確認します。

それで、Bさんがサラ金からもお金を借りていて、無職で、何の資産もないということだと、

「うーん、なかなか回収は難しいかも知れませんねー・・・」というような回答となってしまうのですね。

お金がない人が、一番強いんです。

お金のない、資産がなにもない人は、

「どうぞ裁判でも何でもやってください。判決なんて痛くもかゆくもないから。」と開き直れちゃうんですね。

そうすると、債権者は何もできないです。

またBさんが、破産免責でもしてしまうと、法的にも、Aさんの債権は判決で勝っていたとしても取り立てができない(強制執行できない)ことになるわけです。

私が以前担当した事件でもありました。

裁判で頑張って主張や立証をして、「よし!勝訴判決だ!」とめでたく勝訴判決をとったのに、先方が破産してしまって・・「あーあ、残念!」というのが、あったんです。破産とかされると、諦めるしかないんですね。

ですから、これから裁判で勝ったとしても、先方から回収可能かどうか、資産があるかどうかについては、検討するのです。

なお、先方に財産が今はあるけど、なくなりそうとか、隠しちゃいそうという場合には、「民事保全(みんじほぜん)」という手続で、財産がなくならないよう仮に差押えをしておくということは可能です。

が、今現在、全然財産がないような人は、どうしようもないんですね。

ただ、Aさんの例でいうと、Bさんがお金がない人でも、裁判を起こしてみる価値はあります。

どういうことかというと、Bさんに裁判所にきてもらって、「分割でもいいから、払って」という交渉ができる可能性がありますので・・・Bさんに「金ねえんだー」と開き直れないよう、なんとかなだめすかしてね。

こんなこと考えながら、弁護士は相談しています。

では、また。

平成18年11月29日(水)

こんにちは。

気がつけば、もう師走になりますね。
今朝、通勤途中に定禅寺通りをとおったら、光のページェントの取り付け作業をしていました。
私は、「あーきれいだなー」って見るだけですけど、その裏では欅に1本1本電飾を取り付ける地道な作業があるのですよね。
感謝です。

さて、前回の続きです。
前回、民事事件の場面における弁護士の基本的な仕事は、

1「相談者(依頼者)が望むことは、法的権利に構成できるのかどうか」
2「法的権利があると裁判所から認められるかどうか。」
3「その法的権利は実現可能かどうか」


を検討し見極め、依頼者の方が権利の実現を望み、それが実現可能とみた場合には、その権利実現にむけて努力するということになると思います、とお話しました。

弁護士が事件を依頼されるきっかけは、法律相談が出発点になります。
その相談の中で、上の1から3をクリアすると思われ、弁護士が受任をすることで、相談者の希望がかなう可能性があると思い、相談者が弁護士に依頼したい、弁護士も受任したいということになれば、受任ということになります。

逆にいうと、相談の中で弁護士は、1から3をいつも念頭にいれてきいています。

前回と同じ例ですが、
「Bさんに100万円を貸したが、返してくれないので、どうにかしてほしい」という希望をもった相談者の方(Aさん)がいたとします。

1 その方が、実際にAさんがBさんに、100万円を貸して、返してもらっていないのであれば、AさんはBさんに「貸金請求権」という法的権利をもっていることになります。
これで、1はクリアします。

では、大学生のC君がDさんと男女交際して3か月経っているのですが、このごろ彼女が冷たくなって、別の男性とつきあっているようなので、Dさんに昔のように仲よくして欲しい、という希望を持っていたとします。

この場合には、Dさんは、C君の奥さんでもないし、まだ婚約もしている訳ではないので、C君がDさんに何らの法的権利があるわけではないのですね(結婚してたり、婚約している場合には、一定の法的権利義務が発生します)。

このような相談を受けた場合には、「それは残念ながら法的権利ではないので、裁判とかで、どうにかなるものではないですよ。あなたの希望として、Dさんにあなたの気持ち、誠意を伝えるしかないですね。」というような回答になります。
つまり、このような場合には、1をクリアしていないのです。

他の例では、できないこと、不可能なことを約束し(させた)ことについて、何とかして欲しいという相談、公序良俗に反するような約束(例えば、お金で人を雇って、ある人を殴って欲しいというような約束)もやはり、「それは法的権利ではありませんので・・・」ということになります。

AさんがBさんに100万貸したという相談に戻ります。
Aさんによると、Bさんは、「借りた覚えはない、それはもらったものだ」と開き直っているそうです。

このとき
2「法的権利があると裁判所から認められるかどうか。」はクリアできるか、が問題となってきます。

つまり、「Aさんの権利を裏付ける証拠があるかどうか?」です。

Aさんの相談を受けた時、弁護士は、「契約書や借用書等の書類はありますか?」とたずねます。Aさんがいうように、AさんがBさんにお金を貸した証拠となる書類があるかどうかを確認するわけです。

100万円の貸金請求権というような法的権利があるかないか、について裁判所が判断するわけですが、裁判官は神様ではないので、どうやって判断するかというと、「証拠」によって判断するわけです(刑事裁判でも同じです)。

裁判官が、五感で感じられる証拠(書証や証言、証拠物等)から、当事者が言っているような事実があるかどうかを判断していく訳です。

借用書があれば、それはお金を貸し借りしたときに書く書類だから、お金を貸したんでしょ、と推測できるわけです。

だから、証拠がないと、こちらの主張を先方が違うと否定すると裁判所からは、こちらの主張が認められない(負けちゃう)ということもあるのですね。
裁判の世界では、真実が必ず勝つ!!という保証はどこにもないのです。

「私が言っていることが絶対に事実だ!正しいんだ!」と言い、実際そのとおりだったとしても、「証拠がない」とか先方に有利な「証拠がある」場合には、裁判で負けちゃうこともあるのです。

ですので、Aさんの相談の場合、お金をあげたのではなく「貸した」という証拠となる借用書があれば、Bさんが「もらったものだ」と言っていても裁判所にはAさんの主張が認めてもらえるだろうという見通しがつく訳です。

裁判所から法的権利を認めてもらいたい訳ですから、
「法的権利を基礎づける証拠があるかどうか」について、考えるというわけです。

逆に、Aさんの主張を裏付ける証拠がない、とか、むしろBさんの主張を基礎づけるような証拠があるような場合には、「お金を返してもらうのは難しかもしれませんよ。」というような回答になります。
(ただ、借用書等がない場合にも、貸金請求が認められる可能性はありますので、あきらめず弁護士には相談された方がよろしいかと思います。借用書等があれば有利というお話ですから。)

では、3の「その法的権利は実現可能かどうか」ってどういうことなのでしょう?

一言でいうと、「相手にお金があるかどうか。」ということです。

長くなりましたので、続きは次回にしますね。

では。

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平成18年11月19日(日)

こんにちは。

神坪浩喜です。

今朝、私の自宅では今年の初霜がおりていました。
いよいよ寒くなってきましたね。

今日天気もいいので冬タイヤに交換しましたよ。今ちょっと腰が痛いです。

さて、宮城第二女子高校の生徒さんから受けた質問に答えていきたいと思います。

今日は、「弁護士の仕事ってどんなこと?」についてです。

皆さんは、弁護士ってどんな仕事をしていると思いますか?

身近に弁護士さんの知り合いがいない方や、一度も弁護士に相談したこともない方であれば、テレビドラマやニュース、バラエティの弁護士イメージということになるのでしょうか?

2時間ドラマの殺人事件等ででてくる推理をしていく弁護士や法廷で尋問している弁護士でしょうか?
ニュースで、判決について記者会見をしている弁護士でしょうか?
バラエティ番組で、おもしろいことを言っている弁護士でしょうか?

あなたは、どんな仕事内容をイメージしますか?

弁護士の仕事としては、多くの方がご存じのように、民事事件、刑事事件というおおきな分け方があります。

民事事件とは、当事者間の権利義務関係が検討、判断されます。

刑事事件とは、犯罪を犯したと疑われる人に国が刑事罰を下すかどうか、下すとしてその量刑について検討、判断されます。

家事事件(離婚や遺産相続問題等)、倒産事件(破産、民事再生)についても、おおざっぱに言えば民事の中に含まれます。

少年事件は、罰を下すという視点ではなく教育、更生という視点ですが、少年がやった行為に対して国が少年院収容等を強制させる点で、刑事事件の中に含まれるといってよいでしょう。

ちょっと難しいでしょうか?

まず民事事件についてからお話しますね。

民事事件は「当事者間の権利義務について検討、判断されるってどういうこと?」と思われるかも知れませんね。

Aさんが、Bさんに100万円を貸したのに、返してくれないので、Bさんにお金返して、と民事裁判を起こしたとき(貸金請求訴訟)を例にとってお話します。

Aさんは、Bさんに対して100万円の貸金返還請求権という権利を主張して、裁判をおこして裁判所から「AさんにはBさんに100万円の貸金請求権がありますよ」と判断してもらいたいわけです。

これでAさんの権利が認められたら、Bさんが自分から払わない場合、Aさんは、Bさんの財産を差し押さえして強制的にお金の回収がはかれます(Bさんに財産があることが前提ですが・・・)。

そして、裁判所が、Aさんの主張を受け、証拠(例えば借用書)をみて、Bさんの言い分(例えば、借りた覚えがない、もう返済した
)やその証拠を検討して、Aさんに、100万円の貸金返還請求権があるかどうか、判断するわけです。Aさんの言い分が認められたら、「被告は、原告に対して、金100万円を支払え」という判決となります。

弁護士の仕事は、民事の法律相談を受けた場合、その相談者にどのような権利や義務があるのか、相談者が望むことは、法的権利として、仮に裁判となった場合には裁判所から認めてもらえる権利なのか、について、検討、判断することになります。

そして、相談者の方が、その権利を実現したい(例、貸したお金を返してもらいたい)ということであれば、借用書等、相談者の権利を裏付ける証拠を確認し、依頼を受けて訴訟を起こしたりします(裁判を起こす前に、Bさんに手紙を書いて、裁判を起こされる前に自分から返済してよ、と催促することもあります)。

そして、裁判所に対して、主張(私は貸金返還請求権をもっている。相手方は返済してくれない。)とそれを裏付ける証拠(借用書等)を提出して、いくことになります。
 

弁護士の仕事は、依頼者の望む効果(貸したお金が返してもらえること)を実現するため、それにそう法的権利を主張し、裁判所がその法的権利があると認めてくれるように、説得的な主張、説得的な証拠を収集し提出していくこととなります。

そこでは、依頼者と打ちあわせをして、何時、どのような約束で(金額、利息、返済期限)お金を貸したのか、どのような経緯でお金を貸したか、催促の事実や催促しても返済してくれない先方の対応等を確認して、「訴状」や「準備書面」といった裁判所に出す書類に書いていきます。

そして、依頼者が言っていることが事実と裏付ける証拠(借用書や契約書、念書等)として何があるのか、何が効果的なのかを検討し、裁判所に出していくわけです。

先方が、何か反論(それは借りたのではなくもらったお金だ、もう既に返済した等)してきた場合には、また依頼者と相談してそれに対する再反論と証拠を考えていくことになるわけです。

また、Aさん本人に裁判所の法廷で話しをしてもらったり、証人(例えば、AさんがBさんに貸しているところを見たとういう人)に証言してもらったりします。

こうして、主張と証拠のやりとりがされた上で、裁判所によって訴えた人が主張する権利があるかどうかについて判断されることになります(途中で「和解」ということもよくありますが・・)。

そこでまとめると、民事事件の場面における弁護士の基本的な仕事は、

1「相談者(依頼者)が望むことは、法的権利に構成できるのかどうか」

2「法的権利(義務)があると裁判所から認められるかどうか。」

3「その法的権利は実現可能かどうか」

を検討し見極め、依頼者の方が権利の実現を望み、それが実現可能とみた場合には、その権利実現にむけて努力するということになります。

次回、この3点をもう少し詳しくお話しますね。

(続きのお話です。弁護士の仕事内容2−民事事件
それでは、また。

※弁護士の仕事内容についての講演のお知らせ

弁護士の仕事内容について、弁護士から直接詳しく話を聞いてみたいという小中高の学校関係者の方は、弁護士神坪浩喜が学校に出向いてお話しいたしますので、お気軽にお問い合わせください(電話022−779−5431)。
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高校生からの質問

平成18年11月14日(火)

皆さん、こんにちは!寒くなってきましたがお元気ですか。

蔵王や泉ヶ岳は雪化粧しましたね。

街のイルミネーションも輝く季節になってまいりました。

さて、このホームページを見てくれた宮城第二女子高校の生徒さんから、総合学習の一環として当事務所に職場訪問したいという申し込みがありました。

ありがとうございます!

仙台での法律事務所の職場訪問は、弁護士会を通じて、職場訪問受入可能事務所に登録している事務所が紹介されるのですが、今回は、直接高校生が、「ホームページを見て」ということで当事務所に電話をかけてくれたのがきっかけでした。

大人でも初めて法律事務所、弁護士に電話をするのは結構勇気がいるかと思いますが、高校生で電話できるのはすごいなあと感心しました。

それで、職場訪問としては、弁護士経験がまだ6年少し、事務所開設から1年少しの私で、本当にいいのかなあ?別の経験のある弁護士さんや法律事務所がいいのでは?等と思いつつも、「ホームページを見て」申し込んでくれたということが嬉しくて、また電話をかけてくれた勇気に感心しましたので、職場訪問を承諾しました。

そして、当事務所初めての職場訪問受入ですし、いきなり質問を受けて慌ててトンチンカンな回答をしてしまうかも?と思い、私の心の準備のため、高校生にあらかじめ質問事項を教えてくださいとお願いしました。

そこで、教えてもらったのが、以下の質問です。

1、 主な仕事内容はどのようなものなのでしょうか。

2、 依頼を受けてからの仕事の流れはどのようになっているので しょうか。

3、 弁護士になる事を決めた時期はいつ頃だったのでしょうか。

4、 大学時代にはどのような勉強をなさったんでしょうか。

5、 司法試験に向けて、どのように勉強に取り組まれたのでしょ うか。

6、弁護士として働く上での苦労、やりがい、また一番大切にして いることは何ですか。

7、弁護士にはとくにどのような能力が問われますかか。

8、 私達が弁護士になるためにこれから学ぶべき事は何でしょう か。

皆さんも、弁護士にこんなこときいてみたい!

という質問も中にはあるのではないでしょうか。

この質問は私にとっては、初心を思い出させ、シャッキッと身が引き締まるような質問です。

いい質問ですね!

この質問に正面から向かい合おうとすると、

ちゃんとしなくっちゃ!と思ってしまいます。

真正面から答えようとすると

自分が、自分の職業として弁護士になろうと決めた時のこと、

大学や卒業後に司法試験の受験勉強をしていたときのこと、

試験になんとか合格したときのこと、

司法修習中に体験したこと、

弁護士になったばかりのこと、

弁護士になって経験したこと、

当事務所を開設にむけて準備したときや開設後

の弁護士になろうと決めたときから、これまでの経験や思いが引き出されるような感じがします。

弁護士経験がまだ浅く、また司法試験に短期で合格したわけでもないので、とても「高校生にむけた格好いいアドバイス」ということはできないかと思っています。

そこで、これらの質問に対しては、

今まで私が経験したことや考えてきたこと、今弁護士という仕事について考えているところをありのまま飾りをつけず素直に答えていこうと思います。それで生徒さんの何か参考になれば嬉しいと思っています。

そして、この答えは、また皆さんの何かお役にたつこともあるかもしれないと思い、質問をくれた生徒さんのお許しを得て、今後このブログで少しづつ答えていきたいと思います。

よろしければ、ご覧になって下さい。

では、また。

法教育授業に行ってきました。2

平成18年11月10日(金)

皆さん、こんにちは!神坪です。
今朝、綺麗な虹をみることができました。

朝のラジオできいたのですが、仙台は虹が出やすいところらしいですね。そういえば、今年、私が見たのは4回くらいかな。
ダブルの虹も2回ありました。
ラッキーですね!

さて、前回の続きです。

法教育出前授業
「犯罪歴を公開するって?」

ある国では、強盗事件が増えてきた。しかも、強盗事件を犯した人の再犯率がとても高いことが調査の結果分かった。そこで、新しく
「強盗事件を起こして刑務所に服役した者については、その者の出所後の住所・氏名・顔写真を公開する」という法律を作ることがその国の国会で検討中です。

あなたはこの法案に賛成しますか?反対しますか?
その理由は何ですか?

というテーマで中学生達に考え、討論してもらいました.

皆さんは、この法律について、賛成ですか?反対ですか?

中学生には、あらかじめ賛成派のグループ、反対派のグループとこちらで勝手に指定し、賛成派になったグループは、個人の意見はとにかく賛成派の立場で考え、理由や反対派に対する批判を考えてもらいます。反対派も同様です。

それから、賛成派、反対派の意見をよくきいて判断してもらう、ジャッジするグループも指定しました。

だから、賛成派も反対派の人達も、ジャッジするグループの人達に
納得いくように説明する必要があるのですね。

さて賛成派と反対派の生徒さんは、次のような意見を言いあいました。

賛成派
・犯罪歴を公開することによって、犯罪を犯した人は、再度犯罪を起こしにくくなる。

反対派
・犯罪歴を公開することで、再度犯罪を起こすことを防ぐことになるのか疑わしい。
・かえって犯罪を起こした人が立ち直ろうと思っていても、周りから白い目で見られて、就職もできず、立ち直ることができない。
・再度犯罪を起こさせないようにするためには、犯罪歴を公開することでなくて、刑務所でしっかり教育することが大切なのではないか。

賛成派
・教育してもダメな人はどうするのか。大丈夫といえるまでずっと刑務所に入れておくのか?

反対派
・個人のプライバシーの侵害になるのでは?

賛成派
・悪いことをしたのだから、それくらい仕方がない。


賛成派
・犯罪を犯した人が、また犯罪を起こす可能性が高いということなので、誰が犯罪を起こしたのかは知っておきたい。

反対派
・何も悪いことをしていない家族にまで迷惑がかかるのではないか。

賛成派
・犯罪を犯すような人の家族なら仕方ない。

というような、議論がされました。
中学校3年生ですけど、よく考えているなあと思いました。

中には
家族がかわいそうという反対派意見に対して、
賛成派の生徒さんが「家族も犯罪を犯した人を同じ血が流れているから、犯罪を犯しやすいので仕方がない」と言ったりして、同じ賛成派のグループから「おいおいそれはまずいよ、違うよ!」等と言われたりする場面もありましたが・・・

賛成派も反対派の生徒さんも頑張って自分の立場の根拠を言っていました。とても楽しそうでしたよ。

そして、賛成派と反対派の双方の熱い主張をきいたジャッジするグループの判断は・・・

ジャッジするグループの生徒さんは、12名いましたが、結論は

犯罪歴公開法案に

賛成2:反対10

ということで、反対票多数となりました。

ただ、どちらが正解で、どちらが間違いという訳ではないのですね。

法教育授業では、法(ルール)の目的の正当性や手段の相当性、公平性の視点をもって、自分の立場の主張だけでなく、相手の立場の言い分もよく考えて、意見を述べるということが目的ですから。

皆さん、ご存じの方も多いかとは思いますが、
この教材は、アメリカでの性犯罪者告知の
「メーガン法」をベースにしています。

性犯罪者については、再犯率が高いということから、過去に性犯罪を犯した人の情報を告知、公開するという法律がアメリカの州によっては定められています。

それについては、賛成、反対の意見が対立するところです。

犯罪被害者やその家族の立場からすると「知りたい」「教えて欲しい」という気持ちは尊重しなければとも思います。

他方、立ち直ろうとする人やその家族にとっては、就職できずに立ち直りの機会を奪われたり、白い目でみられることで、やけになってもっと重い犯罪を犯してしまうかもしれません。

「再犯をふせぐ」という目的自体には、およそ反対する人はいないと思います(法案の目的の正当性はあり)。

ただその目的達成の手段として、どうあるべきなのか?
犯罪歴公開という手段でよいのかどうかが、問題となっています(手段の相当性があるのか?)。

日本でも、導入すべきではないかと議論があるところです。

皆さんはどう考えますか?

もし、うちのクラスでも弁護士による法教育出前授業をやってみたい!と、興味をもってくださった場合には、私あてにご連絡下さい。法教育出前授業について詳しく説明いたします。また、こちらもご覧下さい。



では、また。


法教育授業に行ってきました。

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平成18年11月7日(火)

皆さん、お元気ですか!

神坪です。

楽しい連休を過ごされましたか?

私は11月4日、5日と、山梨県の八ヶ岳山麓であったワークショップに参加してきました。ここでの素敵な体験については、またいずれお話したいと思います。

さて昨日、蔵王の中学校に、法教育の出前授業に行ってきました。

弁護士2名がペアになり、主に授業をするメイン役とそれを補佐し、グループ討論の手助けをするサブ役とがありますが、
今回は私はサブ役として参加しました。

法教育(ほうきょういく)って何?
と思われる方がほとんどかと思います。

法教育授業では、生徒さんに、法律の知識、条文や裁判例等を教えるわけではありません。
以前書いた「消費者教育」は、知識を教えるものです。

法教育授業では、社会生活でおこりうる事例等をもとに、生徒さんに、
ルールについて「考えてもらう」「自分の考えを話す」「人の意見をきく」「反対意見の人の話をきいて、それに反論する」「自分と同じ立場の人の意見をきいて参考にし、発展させる」といった作業をしてもらいます。

自由で公正な民主社会の主体たりうる 

法的なものの見方や考え方を身につけてもらうことをねらいとしています。

「これが正解」というものはないんですね。
法的なものごとの考え方、利益対立、主張の対立が起こったときの考え方、調整の考え方について、考えてみてもらうというものです。

では、具体的に一体どんなことをするのかでしょうか?
教材はいろいろありますが、昨日使用した教材を紹介しますね。

説例
「犯罪歴を公開するって!?」


「ある国では、強盗事件が増えてきました。
しかも、強盗事件を犯した人の再犯率(一度刑務所に行った人がまた同じ犯罪を起こす割合)がとても高いことが調査の結果分かりました。
そこで、新しく次のような法律を作ることが国会で検討されています。」

「強盗事件を起こして刑務所に服役した者については、その者の出所後の住所・氏名・顔写真をインターネットで住民に公開するものとする」

皆さんは、このこの法律に賛成ですか?反対ですか?

法教育授業では、この架空の法律について、賛成派のグループ、反対派のグループ、そして賛成派と反対派の意見をきいて判断するグループと予めグループ分けをして、討論してもらうというものです。

賛成派になったグループは(本当の個人的な意見はさておき)、グループの中で賛成の具体的理由を考え、反対派に対する質問、反対派から来るであろう意見の反論等を考えます。

反対派になったグループも同様です。

ジャッジすることになったグループは、賛成派や反対派がどのような理由で意見をいってくるのか考え、それぞれに対する質問を考えます。

さて、蔵王の中学生は、どんな意見をいったでしょうか?

また、ジャッジグループの判断は、賛成と反対、どちらが多かったでしょうか?

答えは、次回に。

では、また。

※続きのお話です。

法教育授業に行ってきました2

先生は、民事専門ですか、刑事専門ですか?

平成18年11月2日(木)

皆さん、こんにちは!仙台では、しばらく秋晴れが続いております。明日から連休ですね。

さて、上のような質問を、ときどきお客さんから受けることがあります。

テレビドラマ等に出てくる弁護士では、刑事事件の弁護が多いことや裁判報道でも刑事事件が印象に残るので、刑事事件専門の弁護士がいて、また刑事事件が主な仕事かと思われる方も多いのかも知れません。

実際のところどうなのでしょう?

確かに、刑事事件を専門にしていらっしゃる弁護士もいます。

が、それはごく少数で、多くの弁護士は、民事もやり刑事もやるという方がほとんどです。私もそうです。

そして民事の割合と刑事の割合は、人それぞれですが、私の印象からすると時間や労力の点では、民事にかける時間が多く、さらに収入の面からみると民事事件による収入が圧倒的に多いという方がほとんどではないでしょうか。

私の例ですと、大雑把なところでは、現状では、収入の点では、民事20:刑事1くらいで、時間、労力の点では、民事10:刑事1といったところでしょうか。

ですが、否認の刑事事件、つまり、被疑者(警察に逮捕されて、検察官が起訴する前の人)や被告人(検察官によって起訴された人)が、疑われている事実について

「私は、やっていない!無実なんです!」と言っている場合には、その事件にかける弁護士の時間と労力は、一気に増大します。

テレビドラマに出てくるように、検察側と弁護側が真っ向から対立!というような構図になるわけです。

私も否認の刑事事件をやっている一時期には、

時間労力の点で、民事1:刑事9、つまり刑事事件ばかりやっているというような時期もありました。

能力的なことはさておき、時間や労力的には私は「刑事専門弁護士」状態、「ほとんど刑事事件しかやっていない弁護士」となっていたのですね。

ですが、それは全体からみると特殊な時期でした。

民事事件にも刑事事件にも、それぞれに特有の難しさや苦労とともにやりがいや楽しさ、うれしさもあります。

(そこら辺の話はまた後でしますね。)

そして事件が大変であればあるほど、弁護士の力量はパワーアップする気がします(やっているときは、ホント大変ですが・・・・)。

私自身、正直にいえば、どちらの分野でも、専門といえるだけの

域には達していません。

ですので、タイトルのご質問には、

「どちらの専門でもありませんし、どちらかが特に得意というわけでもありません。ただ、依頼を受けた事件は、弁護士として責任をもってやるようにつとめます。」とお答えするようにしています。

ただ、弁護士には、いろいろと得意分野があるようですので(特に医療過誤訴訟等専門的な分野は、できる弁護士は限定されているようです)、弁護士に依頼されるときには、今自分が抱えている問題について、同様の事件を処理した経験があるかどうかについては、確認された方がよろしいかと思います(なかなか聞きづらいとは思いますが・・・)。

もっとも、個人の借金問題(破産、債務整理等)、家族問題等については、弁護士からみると、よくある事件、相談なので、ほとんどの弁護士が対応可能かとは思います。

相談で、この弁護士で大丈夫かなと思うときには、タイトルのような質問よりは、

「私のような事件って、先生、以前にもやったことありましたか?」「その事件はどういう結果になりましたか?」

なんて聞いた方が効果的なのかも知れません。

私、そういわれると、「どきっ」とすることもありますから・・・

では、また。

サラ金の金利はとても高いです。

平成18年10月30日(月)

皆さん、こんにちは!お元気ですか。

仙台は、土曜日から、すがすがしい秋晴れが続いてます。

さて、消費者教育授業の台本に、少しだけ問題を出しておきました。

考えていただけましたか?

問題)契約が成立するためには契約書は必要でしょうか?

答えは、「必要ではない」です。つまり、口約束でも契約は成立してしまうんですね。大きな買い物をする場合には、契約書を作成することが多いのですが、それは、あとあと言った言わない等のトラブルを避けるためにつくるんですね。

ですから、「買います」と言うときには、その物やサービスが必要なのかよく考えた上で慎重にして下さい。

ただ、授業でも説明したのですが、

悪徳業者が、「もう契約はしているのだから、代金払え!解約するなら、解約金として○○円払え!」等と言ってくることがありますが、そんな話はうのみにしないで下さい。

たいていの場合は、本当は契約が成立したとは言えない場合や、契約が成立したとしても、クーリング・オフ、詐欺取消、消費者契約法の取消等で、違約金なしで解約できる場合がほとんどですから。

ポイントは、悪徳業者の話をすぐに信用して、お金を払ったりしないこと。お金を払っちゃうとそのお金はまず戻ってきませんし、業者は、あなたは「いいお客さん」と思って、さらにあなたからお金を騙し取ろうとしつこく勧誘してくるかも知れませんので。

では、次の問題です。

問題)

A君は、サラ金に対して、返済する義務を負うでしょうか?単に名前貸してあげただけで、B君が責任もって払うと言ったので、それはB君が返すべきだからと言って、A君は支払わなくてもすむのでしょうか?

答えは、A君は、サラ金に「支払わなくてはならない」でした。

サラ金から借りた名義がA君である以上、それはA君の借金となります。サラ金にB君に請求して下さいといっても、サラ金はA君に督促をします。

ですから、知人や友人から、頼まれても断って下さい。自分名義のカードを知人に貸したりすると、ある日突然莫大な借金を背負ってしまうかも知れません。

※サラ金からお金借りると、たかーい利息を支払う必要がある。

年29%くらいが多い。おまけに返済できないと、取り立て怖いです。

問題)

① 今日、サラ金から20万円借りました(年利29.2%)。毎月5000円返すことにしました。 毎月5000円きちんと返済して、3年後は残金はいくらになっているでしょうか?

答えは、19万2278円です。

要するにほとんど減らないということですね。

払ったお金は利息分にあてられているということです。

②毎月5000円払ったとして、何年後に返済し終わるでしょうか?

答えは、12年6か月後です。

完済まで干支一回りしてしまいまうね。とても長いです。

③完済するまでに、合計でいくらサラ金に支払うことになるでしょうか?

答えは、74万8842円です。

つまり、利息で54万8842円もサラ金に払ってしまうということになります。サラ金がいかに儲けているのかがわかりますよね。

サラ金のCMでは、人気タレント等と使って、

「あなたのお役に立ちます!是非ご利用下さい!」なんてピーアールした後、「ご利用は計画的に」なんていってますよね。

今の年29パーセントという高金利からすると、「計画のたちようがない」と感じます。

だから、サラ金の利用は、原則として考えない方がいいと思います。お金が必要なら借入先の金利がいくらなのかよく検討してみて下さい。

貸すときは、優しいお姉さんでも、返せなくなったら怖ーいお兄さんが出てきますから。借金とりは怖いものです。

今、出資法金利引き下げの話題が出てますよね。このことについては、また後でお話しますね。

悪徳商法に引っかからないために2

平成18年10月27日(金)

皆さん、こんにちは!お元気ですか。神坪です。

仙台では、午前中まで雨降りでしたが、午後から晴れてきましたね。

今週末は、紅葉日和だそうです。

さて、今日、宮城県名取市内の高校に出かけていって、

悪徳商法に引っかからないために、ということで50分ほど

講義をしてきました。

いやーまいあがっちゃいましたねー。

教室の教壇にたって高校生相手に話しをするのですが、

大人と違って反応が素直なので、プレッシャーになるのですよね。

最初のうちは、かなりあがっちゃって、「契約」

と黒板に書こうとして「契」の漢字がでてこなかったんですよ・・・ははは・・・

でも楽しかったです!!

また熱心に聴いてくれる子もいて嬉しかったです。

そういった子に話しかけるつもりで

講義すると調子がすこしずつ出てきました。

どうもありがとう。

少しでも役に立てれば嬉しいなあ。

では、台本の続きをアップしますね。

問題もありますので、考えてみて下さいね。

第3 消費者被害にはどんな例があるでしょう?

1 携帯電話、ネットトラブル

迷惑メールがきている。削除しようとしたら、あやまってサイトをクリックしてしまった。その後、登録完了しました、情報料3万円振り込んでくださいと請求がきた。

・法的に契約は成立はしない→振り込まない。

基本は「無視」。

理屈では、未成年者取消や間違ってクリックした場合の修正・確認画面がないということで電子消費者契約法による「錯誤による契約の無効」を主張できる。

・相手に連絡をとってはいけない。

下手に連絡すると巧みな話術で説得され、法外な延滞金などを請求される。

2 振り込め詐欺

・オレオレ詐欺

「俺だよ俺。今事故ちゃって示談金100万必要なんだ。今すぐ振り込んで!」

ニセ警察官、ニセ弁護士等の場合もあり。

・架空請求

ダイレクトメールで、「ネット利用がありましたので情報料10万請求します。延滞金かかります。こちらへすぐお振込下さい。払えない場合は、すぐ090−××××−××××へ。 連絡ない場合、差押えします。」

3 悪徳商法

よくある商品

宝石貴金属(指輪、ネックレス)、着物、化粧品、絵画、各種会員権(スポーツジム)、英会話等の教材、サプリメント、布団

このような商品で、高額なものは、まず胡散臭い、怪しいと思った方が無難。

①「キャッチセールス」

「専門学校生のA君が買い物のため、昼下がりに一番町商店街を歩いていた。その途中で、若い女性に声をかけられ、健康についてのアンケートにご記入下さると素敵なプレゼントをさしあげます。と言われた。A君は、その女性が美人だったことや、ただで何かもらえるならいいやと思って、アンケートに記入した。その後、プレゼントは事務所でさしあげますのでご一緒にどうぞと女性に言われついていった。

その事務所で、A君は別のいかつい男性から、健康食品の効能について長時間にわたって説明をされた。A君が帰りたいと言うと男性にここまで説明させておいてお前帰るのか!ふざけるな!と怒鳴られ、A君は、30万円の健康食品をクレジットで買ってしまった。

健康食品は全く効果がないものだった。A君にはクレジット会社からの請求がきている。」

契約の取消は可能(クーリング・オフ 詐欺脅迫取消、暴利行為公序良俗違反無効、消費者契約法による不実告知による取消)

※未成年者の場合は未成年者取消権

でも、ひっかからないのが一番。

・事務所には絶対ついていかないこと!!

・プレゼント等につられないこと!

・もし契約をしてしまったら一人で悩まず、親に相談 消費者センターや弁護士会へ

②「アポイントメント商法」

「おめでとうございます!あなたは海外旅行に特別割引でいける抽選に当選いたしました!!」海外旅行当選、英会話教材

③「マルチ商法」

高校の先輩が

「おもしろくて、おいしいアルバイトがあるんだけど。会員になって、この健康食品を友達や知人に会員になってもらうと紹介料がはいる。

さらにその友達が別の人にダイエット商品をかってもらうと、その分の紹介料も入る。どんどん儲かる。絶対もうかる。いいでしょう。

会員になるには、この健康食品10万円を買うこと。クレジットで大丈夫。

やってみない?俺もやっているし。」と誘ってきた。どうする?

・よくあるパターン

友人や学生時代の同窓生や先輩からの勧誘

インターネットや電子メールでの勧誘

・ホントに儲かるの?やるとどうなる?

・自分も損する。

・友達失う、人間関係を壊す

・自分が「加害者」となる。 場合によっては刑事罰

④「内職商法・モニター商法」

・パソコンの仕事月収15万以上、そのためにパソコンと教材30万購入。仕事はなし。

・「健康ふとん」2年間モニターして下さい。モニター料入ります。50万円のふとん購入。会社はモニター料払わない 電話すると現在つかわれておりません。

⑤「資格商法(士商法)」

経営コンサルタント 行政書士

しつこい電話勧誘→消費者のあいまいな返事や態度をとらえて契約の成立を強弁する。

「いいです」「結構です」は× 「いりません」が○

→消費者にもう契約成立しているだからとか言って契約書等への署名捺印を強要する。本当は契約は成立していないのに・・・

⑥「送りつけ商法、押しつけ商法」 注文した覚えがないのに雑誌が送られてきた。DVD、名簿

代引きに注意

「10日以内に返品されない場合には、購入したものと取り扱う」

契約の申込みにすぎない。放置しても契約は成立しない

→代金は支払う必要はない。

一定期間経過後処分可(受領して14日間)

心当たりのない商品は受けとらないこと。特に代引き

悪徳商法対策

○被害にあわないために

「おいしい話には裏がある」「絶対にもうかる話はない」

迷ったら、ちょっとでもうさんくさいとおもったら、すぐに買いますと言ったり契約書にサインしたりしない。

親と相談します、家に帰ってよく考えますとか言ってとにかくその場から逃れる。

できるのであれば、きっぱりと「いりません」と断る。

○でももし、被害にあったらどうする?

納得できない請求書(何でこんなもの買ったんだろう)がきたら、一人で悩まず、泣き寝入りして払ったりせず、家族にすぐ相談、弁護士や消費生活センターに相談しよう。

これですむならいいかと、いったん支払ったりすると、悪徳業者から「いいカモだ」と思われてしまい、さらなる金銭要求をされるおそれが高い。

4 名義貸し

A君は、知り合いのB君から、「消費者金融(サラ金)のカード作って、お金借りて欲しい、返済は自分が責任もってやるから」と頼まれ、カード作った。でもB君は返済してくれなかった。

問題)A君は、サラ金に対して、返済する義務を負うでしょうか?単に名前貸してあげただけで、B君が責任もって払うと言ったので、それはB君が返すべきだからと言って、A君は支払わなくてもすむのでしょうか?

※サラ金からお金借りると、たかーい利息を支払う必要がある。

年29%くらいが多い。おまけに返済できないと、取り立て怖いです。

問題)

① 今日、サラ金から20万円借りました。毎月5000円返すことにしました。 毎月5000円きちんと返済して、3年後は残金はいくらになっているでしょうか?

    約                                 円

②毎月5000円払ったとして、いつ返済し終わるでしょうか?

    約                                 年

③完済するまでに、合計でいくらサラ金に支払うことになるでしょうか?

                                        約                                     円

皆さん!気をつけて下さいね!

問題の解答は、次回に。

悪徳商法に引っかからないために1

平成18年10月25日(水)

皆さんこんにちは!仙台では、2日間降り続いた雨があがり青空がみえました。

さて、私は、あさって、高校生を対象とした、消費者教育授業、つまり悪徳商法等消費者被害にあわないように、またあってしまったときの対応についての授業をする予定です。

知識がないばかりに、悪徳業者のいいなりになって、損害を被ったりする若者が多数あったことから、そのような被害を少しでもへらそうということで、仙台弁護士会の消費者保護委員会の活動の一環として、宮城県の協力を得ながら弁護士が高校に出かけていって悪徳商法の被害に遭わない対策やあってしまった時の対応等を話す消費者教育授業が行われています。

私自身、法教育授業(これが何なのかはまた後でお話しますね)はやったことがあるのですが、消費者教育授業は初めてですので、ちょっとドキドキしています。

そこで、当日頭が真っ白けにならないよう台本つくってみました。

つくってみて、これは皆さんの役に立つかもと思い、ここに載せてみますね。

第1 消費者被害って?

「消費者」とは、個人 会社、お店等からお金を払って物を買ったり、サービスを受けたりする人

個人のお客さんの立場のときは、みんな消費者。

消費者の反対は「事業者」

ラーメン屋さんが、ラーメンの原材料を仕入れたりするときは消費者ではない、事業者と事業者の取引。

会社、お店が消費者に物を売ったりサービスを提供して消費者からお金をもらう。

「消費者被害」とは、悪徳業者が消費者をだましたり、おどしたりして、お金を消費者から、巻き上げるということ。

若者やお年寄りが、狙われやすい。被害にあいやすい。

どうして?)業者のいうことをそのまま信じてしまいやすいから。

第2 契約って何だろう? 契約する時は慎重に。

「契約」とは、お互いの合意できめる約束事

売買契約、賃貸借契約、消費貸借契約、請負契約・・・いろいろあります。

「売買契約」 契約は約束ごと。

物を売ります、買いますで約束成立。

問題)契約が成立するためには契約書は必要でしょうか?

約束が成立すると、原則として、それは守らなくてはいけない。

※但し、悪徳業者が「すでに契約が成立しているから守れ、解約するなら違約金払え」と言ってくることがあるが、そんな話は鵜呑みにしない。

そのように言ってくる場合、本当は契約が成立していないことがほとんど。契約が成立したとしても違約金なして契約がキャンセルできるときが多い。

→弁護士や消費生活センターにすぐに相談しよう。

つまり、契約すると・・

売る人は その物を売る 義務

買う人は それに対して、そのお金を払う 義務が発生

だから、「買います」と言うときには、本当に買う必要があるのか、納得してから慎重にすること。それがまずとても大切。

まあ普段は、トラブル生じない。

しかし、世の中、残念ながら悪い人もいる。お金儲けのために、人を騙したりする人がいる。

携帯電話、ネットトラブル

振り込め詐欺(オレオレ詐欺、架空請求)

悪徳商法

続きは次回に。

法律相談の前に。

平成18年10月15日(日)

法律相談に来られる方の中には、何を相談したいのか、どういうことで困っているのかについて、あらかじめ紙に書いて来てくださる方もいます。

相談を受ける側からみると、それは、とても助かります。弁護士会の相談では30分、区役所や市役所の相談だと20分等と時間が限られていますので、事前に相談の要点を紙にまとめていただくと弁護士も効率よくご相談に対応しやすいのです。

紙にまとめる、紙に問題点、聞きたいことを書き出しておくメリットは、効率がいいだけにとどまりません。それだけで、悩みが軽減することもあるし、具体的に今後どうしていけばいいのか分かることもあります。

皆さんは、悩み事があると、頭の中で、同じような考えが何度も何度も浮かんだりしてきませんか?もやもやとして霧の中にいるような感じになったりしませんか?

私もよくあります。仕事でもプライベートでも。仕事上では、訴訟の対応として、どのようにすれば効果的に裁判所に当方の主張を納得してもらえるかとか、困った示談交渉の相手に対して、どう対応するのかとか、頭の中でぐるぐるあーでもないこーでもないと思いが浮かんで疲れてしまうことがあります。

そんな時、白い紙を取り出して、とにかく、今自分は何を考えていたのか、殴り書きをしてみます。思いつくままどんどん書いていきます。

そうしていくと、頭の中が整理されてきて、自分なりに答えが見つかることもあります。答えが見つからなくても、「ここが問題なんだな」「ここが分からないんだな」「ここを調べればいいんだな」「ここは今悩んでも仕方がないな」等と問題点がしぼられてきます。

紙に書く際のコツとしては、まずは、最初から整理して書こうとかは考えずにまず思いや感情をそのまま紙にはき出してみます。そして、全ての思いをはき出した後、書いた言葉をながめてみます。そしてその後、書いた言葉の連絡、関係、つながりを考えてみます。その作業中に思いついた言葉もどんどん紙に書きこんでみます。線や矢印でつないだり、ポイントだなと感じたところは丸で囲んだりしてみてください。

そして、また別の紙に「何が問題なのか」を意識し、整理して書いてみます。

相談することの効用としては、人に話しを聞いてもらううちに、自分の頭の中で整理されていくこともありますよね。それだけでも、悩みの程度が軽くなるかと思います。紙に思いや考えを書き出すことは、その相談の効用を一人でも享受することが期待できるように思います。

例えば・・

「夫に内緒で借金をした。渡される生活費では、欲しい洋服が買えずにサラ金から借りた。案外簡単に借りることができたので、また欲しい服やバッグをサラ金から借りて買ってしまった。パートをすれば大丈夫かと思っていたが、いろいろと出費が重なり、返済しようと別のところから借り入れをしていまい、いつのまにか増えていっていまった。今度の支払いがまたせまっている。どうしよう。」と借金問題で悩む方がいらっしゃるとします。

白い紙に

「 借金たくさん ○○信販に50万 ○○クレジットに30万 ○○ファイナンスに60万、あーどうしよう。

夫に知られたくない 知られると夫怒る?最悪離婚? 今度の支払いは25日 全部で10万必要

債務整理ってきいたことがあるけど何だろう?自己破産って何?どんなデメリットがあるのだろう?

払わないとどうなる?家族に請求がいく? 一生お金借りられなくなる?何であんな物買っちゃったんだろう?雑誌の広告にのっていた借金一本化しますって、いいのかな?

弁護士費用ってどれくらいかかるんだろう?」

って紙に思いつくまま書いてみてください。

そうすると

・借金が今いくらあるのかを整理

・月々いくら請求されているのかを整理

・債務整理や破産の内容を相談で確認(どんなデメリットがあるのか?)。

・その際の弁護士費用も確認。

・家族に内緒でできるのか、確認

・雑誌の借金一本化って大丈夫か確認

というように整理できるのではないでしょうか?

このようにできれば、弁護士に相談に行く前にでも、考えても仕方がないこと、弁護士に確認したいことが整理できて、悩みが少しは軽減されるのではないかと思います。そして相談で聞き漏らすこともないかと思います。

もちろん、悩みが大きくて、そのようなこともできない場合、とにかく急いでいる場合には、メモをつくっていないからといって相談をためらう必要はありません。

もし、できるのであれば、あらかじめ紙に書いてみてはいかがでしょうか?

というお話でした。

平成18年10月10日(火)

弁護士は、依頼者の利益を考えて行動します。依頼者からお金をもらって依頼者の法的権利を実現することがその主な仕事となります。例えば、お金を貸して返してくれない相手方に対して、内容証明で請求したり、貸金請求訴訟を提起したりします。

ところで、裁判において依頼者と相手方の主張する事実が全く異なることがよくあります。

ある離婚訴訟で、妻は、夫がひどい暴力夫であったという。他方夫は、暴力なんてしていない、それは妻が自らの不貞を隠すためにでっちあげだといっていたりします。そして、法廷での証言においても、お互いに「私は嘘をつかずに真実を述べます!」なんて宣誓をした後でも、全く双方の主張は食い違ったままです。つまりはどちらかが嘘をついていることになります。そして、双方の弁護士の主張もお互いの当事者に従って真っ向から対立。

つまりは、嘘をついている依頼者の弁護士は、①依頼者が嘘をついていることを知りながら嘘の証言を黙認している、させているか、②依頼者がいっている嘘を真実と思っている、つまりは依頼者から騙されているということになるわけです。

依頼者の言っていることが嘘だとわかりながら言わせるというのは、私の感覚からするとちょっと考えにくい気がしますので、多くは②依頼者から騙されているということになるわけです(ただ、依頼者の利益を、依頼者の希望どおりにすることだと強く考え、嘘をついたり、真実を隠す依頼者の主張につきあうという弁護士もいらっしゃるのかも知れません。ただし弁護士の真実義務違反が問題となるでしょう。)。

私自身どうなのかと問われると、嘘だとわかりながら話してもらったことはないのですが、ひょっとしたら騙されていたことはあるのかも知れません。

もちろん、私としては、依頼者の方には申し訳ないのですが、

「騙されないように」依頼者の言うことを鵜呑みにすることなく、一旦は批判的な見方、別の角度から見た場合どうなのか、客観的証拠と符合しているかどうか、話し自体が合理的なものかどうか、その人が本当に信用できる人物かどうか、考えてみることにします。 それで、私の心の中で、ちょっと胡散臭いなあ、違うんじゃないかなあと感じたら、申し訳ありませんが受任はお断りするようにしております。

ですが、絶対に依頼者が事実と異なることを言ったことについて常にそれを見抜いていたのか等と問われると、自信はありません。

冷静に相手方の言い分も考えて相談する一方で、今目の前で相談している人の言うことを信じたいという気持ちもありますので、どうしてもそれに流されやすいのです。

そして、時々不思議に思うのは、どうして先方の先生は、何で騙されちゃうのかなあということです。他の証拠や証言からすると、嘘いっているの明らかじゃない、おかしいじゃない、とか思うのですが、それでも頑張って本人の嘘につきあっているように見えます。

え!!おまえの方が騙されてしまっているって!?そうなのかなあ??

先方の弁護士さんも私のことを、「何で騙されるのだろう、不思議だなあ?まだまだ若いな。」なんて思われているのかも知れませんね。

皆さん、お願いです!どうか、弁護士には嘘はつかず本当の事を話しましょう。決して弁護士を利用して、クロをシロとかにしてやろう、有利に物事を運んでやろう等とか決して考えないでください。天の神様は、みんな知っているわけですから。

なお当事務所では、クロをシロにはできません(そういう力量もありません)ので、どうかよろしくお願いいたします!!

はじめまして

平成18年10月7日(土)

皆さん。はじめまして!神坪と申します。今日からいよいよブログによる日記を書いていこうと思います。

仕事上のことや読んだ本、家族のことなど「!」、「?」と思ったこと感じたことを書き込みたいと思います。

はじめてのブログ(ホームページ)作成で、その上パソコン素人の私なのですが、「あきばれネット」さんという作成業者にお願いしたことで、順調、順調です。いや、プロはさすがですね!

今まで、いろいろな方のブログを読んでいたのですが、自分が表現する立場に立つというのは、不思議な気がいたします。そして嬉しいです!

弁護士というと、こわそうだとか、敷居が高いとか、とっつきにくいとか、偉そうだとかイメージを持たれる方も多いかも知れません。近頃バラエティ番組で弁護士さんがよく出るようになって以前よりは、なじみやすくなったようですが、私に相談される方でも、多くの方が最初は緊張しておられるようです(まあ、私も、正直申しますと、どんな相談が飛び出てくるのか、いまだにどきどきですが・・・)。

私も病院で医者に診てもらうときは緊張します。

「愛想が悪い先生だといやだなあ」とか「大変な病気ですよっていわれたりしないか」とか「こんなことで病院にこなくてもとか思われるんじゃないか」とか、いろいろと考えてしまいます。

私自身は、幸いにも、プライベートのことで、弁護士さんに相談しに行ったことはありません。

が、相談にこられる方の立場に立つと、その不安なお気持ちはよく分かります。

相談室の扉をあけるとき、どんな弁護士さんなんだろう、こわい人かなあ、頼れる弁護士かなあ、こんなこと相談して怒られたりしないだろうか、ちゃんと自分の不安や疑問に答えてもらえるだろうか・・・

そのような不安な気持ちが特に強い方に対し、

私の情報や雰囲気をあらかじめ分かった上であれば少しは安心して相談にこられるのかなと思っています。

プライベートなことを相談するわけですから、できれば自分と波長があいそうな弁護士に相談したいですよね。

皆さんと私達にこのホームページ、ブログが役に立てばと思います。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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